第12話 ソーシャルレンディングの仕組み

(Photo=GoodStudio/Shutterstock)

不動産投資のなかでは比較的少額から始められる「不動産の小口化商品」への投資。それでも、わずかな貯金しかない自分にとってはまだまだハードルが高い。

前回:「不動産の小口化商品」について学んだことで、不動産投資にもいろいろあることを知った。投資はじめました第11話はこちら

ニシカワ先輩の目が怖かったのは気になるが、オオタ部長にもらった宿題、「クラウドファンディング」調査、いってみよう!

インターネット時代の新しい金融の形

Google先生!

クラウド‐ファンディング(crowd funding)

《crowdは、大衆の意》プロジェクトのための資金を調達できない個人・団体が、ソーシャルメディアをはじめインターネット上で企画内容と必要な金額を提示し、広く支援を呼びかける手法。少額の資金提供者を多く集めることによって、目標額の達成をねらうもの。マイクロファンディング。マイクロパトロン。ソーシャルファンディング。CF。

出典:デジタル大辞泉

そうだ!今年「Kickstarter」が日本に上陸するというニュースで見たときに聞いた言葉だ!でも、Kickstarterって、新製品や新サービスの事業に対して資金が集まる仕組みだったはず。これと不動産投資がどうつながるのだろう?

仕方ない、ニシカワ先輩に聞いてみよう…って、あれ? 先輩の姿が見当たらないぞ。
お菓子が足りなくなったのかな。よし、じゃあもうちょっと自分で調べてみよう。怖い目をしていたニシカワ先輩に聞くのは後だ。

……なるほど。一口にクラウドファンディングといっても、いくつかの種類があることがわかった

そして、お金を借りたい企業や人と貸したい企業や人をつなぐのが「貸付型(融資型)」で、こちらは出資額に応じた分配を受け取ることができる。この仕組みは、「ソーシャルレンディング」とも呼ばれるそうだ。

そのほか、出資した事業の利益から配当をもらえる「投資型」、リターンのない「寄付型」というのもあることがわかった。

ひととおり調べ終えたところで、ちょうど先輩が大きな袋を抱えて帰ってきた。何かの買い出しみたいだけど、なんだろう?

「お疲れ様です。何を買ってきたんですか?」

「そりゃ決まってるやんか。関東では買えなくなってまう、あれや。今のうちに買っておかんとな。すでに品薄で大変やったわー」とニコニコだ。

ボクもほしかった…

「で、どや? 部長にいわれてたクラウドファンディングのこと、わかったんか?」と、さっそく袋を開けながら聞いてくる。

そこで、自分で調べたクラウドファンディングのこと、ソーシャルレンディングのことを自分なりにまとめて話すと、「よく調べたじゃないか」と、なぜかニシカワ先輩の袋に手を伸ばす部長から褒められた。

「ははは、実は私も大好きでね。ニシカワくんに買いに行ってもらったんだ」と、照れ笑いの部長。

1万円からできる不動産投資

(Photo=Radu Bercan/Shutterstock)

「それでは、不動産の小口化商品と不動産関連のソーシャルレンディングの違いはわかるか?」とオオタ部長から質問が。

「はい。不動産の小口化商品は、自分が不動産の何らかの権利をもって賃貸料などの収入を得るものが基本です。一方、ソーシャルレンディングは、下図の通り資金調達希望者である企業や人に、融資を実施する予定の匿名組合の持分に出資者が出資(投資)を行い、資金調達希望者からの配当や元本返済等を、匿名組合持分の出資者に配当を実施するものだと理解しました」

実は自分もこのことが気になって調べてあったので、スラスラと答えられた。

「だいぶ勉強したな。あと、ソーシャルレンディングは、会社によっては1万円程度の少額から投資できるのもあるんやで。」と、お菓子をつまみながら部長が教えてくれた。

「ということは、自分のように自己資金が少なくても投資できるわけですね」

「そや、オレみたいに金持ちなら、いろいろな案件に投資してリスクを分散することもできるんやで。ガッハッハ」

「(…誰が金持ちやねんっ!)」ボケかどうか悩むところだが、蚊の鳴くよりもさらに小さな声のエセ関西弁でツッコんでみる。

「ソーシャルレンディングは不動産だけじゃなく、太陽光発電や事業資金ローンなど投資対象はいろいろある。ソーシャルレンディングの運営事業者でいえば、不動産担保付の貸出に特化している【OwnersBook】などがあるぞ。」

「OwnersBookを運営しているロードスターキャピタル㈱の執行役員の成田さんは知り合いだ。
ちょっとお訪ねしてみようか」
との最近多い他社さん登場の打診。

毎回そんなに急には会ってはくれませんよ。

後日、パーカー姿のロードスターキャピタル㈱執行役員の成田さん(本人友情出演!?)とご対面。

「はじめまして!我々は不動産投資の経験が長いスタッフが厳しく物件のチェックをして、借主にとっても事業を継続できる水準という視点で、投資物件の評価をしています。」とのご挨拶。

「オーナーズブックのパーカーが信頼の証やな」(そんなわけないでしょ)
※参照 オーナーズブック運営ロードスターキャピタル㈱成田様 林様 インタビュー

さっそく会社に戻り、OwnersBookについて検索してみる。不動産に特化していて、1万円から投資できるという。少ない資金で始められる不動産投資があったなんて、急に身近な出来事のように思えてきた。

実家の母に勧めてみると

その夜、珍しく実家の母親から電話がかかってきた。ひととおり近況報告などをした後、銀行の定期預金の金利が低いと嘆いていたことを思い出したので、ソーシャルレンディングのことを話してみた。すると…、

「ソーシャルレンディングね~、…ちょっとお父さ~ん!」と、父を呼びつけ、早々に電話をかわってしまった。

そこで今度は父にちゃんと説明する。ミドルリスクミドルリターンの新しい投資形態であること。投資の形として世界では一般的に行われていることなどをきちんと順を追って説明する。

「社会人として成長しているようじゃないか。人に聞いたり、調べたりして集めた知識を、どう生かすかが大事だからな。」
と、学校の先生らしい褒め方をされる。

自分も不動産以外にどんな融資対象があるのか、どんなリスクがあるのかなど、知りたいことがいろいろと出てきている。もう少しソーシャルレンディングについて調べてみようと思う。調べ方も掴んできたし、部長や先輩を頼りにしながらも、自分で調べて、実践していこうと素直に思える。家の中でも先生がいるみたいでイヤだったあの頃を思うと、自分でも成長を実感する。(まだ何も成し遂げていませんから)

そんなことを考えていると、突然とても大事なことを思い出した。

「あーーーーーッ! お菓子!」(それかいっ)

次回へ続く。

 

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