第64話 なぜライドシェアは日本で苦戦中なのか?

(写真=Irina Strelnikova/Shutterstock.com)

前回:「働き方改革関連法案」の成立によって、自分たちの生活への影響ばかり考えていたが、関連業種への影響も大きいことを知った。
63話はこちら→

Uber(ウーバー)を使えば海外のタクシーも安心!

オオタ部長とニシカワ先輩が突然の香港出張へ旅立って4日。彼らはいつも唐突に海外出張に行くけど一体なにをしているんだろう?まさか本格的に海外進出の場所を選んでいるのか?僕をベトナムに飛ばそうとしていたときもそんなようなことを言っていたっけ??ウチの部署(Web企画制作部)で海外に行ってどんな事業をするんだろうか。まあ、まだ先の話だよね。。。

さて、今日は待ちに待った帰国予定日だ。正直、早く帰ってきてほしい。なぜなら、お土産が楽しみだからだ!(おい)ついでだけど、僕もそのうち海外出張にいかなきゃだから聞けることは聞いておこう。

「今、帰ったで~」
まるで家に帰ってきたかのような挨拶でニシカワ先輩が事務所に入ってくる。続けてオオタ部長も入ってきた。心なしか二人とも太ったようだ。

「部長、先輩、お疲れ様でした! 香港はどうでした?」

「ああ、よかったぞ! 飯は安くてうまいし、街も魅力的だ。そして国際的な金融の中心地らしく、活気があったな」

「地下鉄にトラム、バスにタクシーと交通網も完璧や。トラムがかなり便利やったのが印象的やけど、タクシーも安くて便利やったわ。東京っちゅーか日本のタクシーは高すぎやで」

「でも、海外のタクシーってボッタくられるとか、強盗に遭うとか、連れ去られるとか、悪い噂ばかり聞きますけど、怖くないんですか?」
一度も乗ったことないけど、海外のタクシーは怖い印象しかない。というか、そもそも海外に行ったことない。

「どんなイメージやねんw そりゃ一部にそういうドライバーもおるんやろうけど、今はウーバーなんかの配車アプリを使えば、行き先を指定して料金も明示されるから、それほど怖いってことはない思うで。香港でUber使ったけど、ホンマ便利やったわ」

「Uberは100億乗車を突破したって最近ニュースになってました! あと、淡路島で観光客の移動手段確保のための実証実験を始めるとか」
くそ~、自分が言おうとしたことをタカヤマさんに先に言われてしまった……。

法律の壁が立ちはだかるライドシェア

(写真=Adam Isfendiyar/Shutterstock.com)

「そんなに便利なのに、東京で使えないのは、なんだか世界から取り残されているようで悔しいですね」

「何を言ってるんだ? 東京でも利用することができるぞ」

「えっ!? 東京で使えるんですか???」
知らなかった……。

「とはいえ、Uberの売りである一般人が自分のクルマにお客さんを乗せて運ぶライドシェアサービスは、日本では違法の白タク行為になってしまうため提供できないんだ。そのため、東京の中心部と羽田空港でハイヤーを配車するサービスのみを限定的に提供している状態となっている」
相変わらず、いろいろなことに詳しいオオタ部長。

「ライドシェアサービスは人口が少なくて、電車やバス、タクシーなどの公共交通機関があまりない地域に限って許可されているんですよね? 淡路島のニュースで読みました」
タカヤマさんができすぎてツライ……。

「そのとおりだ。すでに京都と北海道の一部地域で、自治体とUberが協力してサービスを提供しているようだぞ」

訪日客も増えているし、オリンピックも控えているというのに、世界的に広まっているサービスが東京で使えないっていう状況はどうなんだろう……。

「どうしてUberは日本では普及しないんでしょう? やはり白タクを規制する法律の壁でしょうか?」
気になるので質問する。

「ライドシェアの部分では法律の壁が大きいだろう。白タクを規制する法律の壁も日本だけの話ではないし、タクシー会社との軋轢も世界各国で発生している。タクシー配車とライドシェアを提供するサービスは世界各国で誕生していて、競争も激しくなっているんだ」

「それでも100億回乗車を達成したということは、かなり広まっていますよね? なぜ日本だけ苦戦しているんでしょうか?」

「日本では、タクシー業界がUberという黒船に対抗して、スマホアプリで配車ができる”全国タクシー”というサービスを始めて、主導権を握ったという理由もあるだろう。日本以外でもライバルに押されて劣勢になっている国もあって、事業を売却したり、協力体制を築いたりしているようだ。今後、日本でもタクシー会社と協力してタクシー配車に特化したサービスになっていくのではないかな?」

“全国タクシー”というサービスがあるのか……。タクシーに乗る機会があまりないので全然知らなかった。

伸びしろの大きいライドシェア業界は要チェック!

そういえば、ニシカワ先輩がまったく話に入ってこない。どうしたんだろう?
「ニシカワ先輩はどう思います?」

「もぐもぐ……ん? やっぱり、このヌガーよりエッグロールの方が美味いと思うで? ……あれ?? お土産のお菓子の話ちゃうんかw」

「いえ……Uberなどのライドシェアの話です」

「ああw 使ってみてわかったけど、行き先を伝えるのに苦労することもないし、安いし安心だしでええとこばっかや。こういう利便性のほかにも、ライドシェアは都市部の渋滞解消や過疎地域の交通手段の確保っちゅー社会問題を解決できる画期的な方法やと思うけどな。んー、ただなぁ……」

「ただ、どうしたんですか?」

「日本人の国民性には合わない気がするわw 仮に法規制がなくなったとしても、見知らぬ一般人のクルマに乗るのは抵抗あるヤツが多くて苦戦するんちゃうか?」

「世界的な流れとして、ライドシェアはどんどん普及していくはずだ。自動運転カーの開発を進めている企業も多いし、伸びしろは非常に大きいと思う。投資目線で見ても注目すべきサービスだし、関連する会社の動向や株価はよくチェックしておいた方がいいだろうな」

世界各国で進むライドシェアだが、日本は規制のために取り残されてしまうのだろうか?
いずれにせよ、部長が言うように新しいサービスが誕生し、広まるときは投資のチャンスだと思う。ライドシェア関連のニュースは、今後もしっかりチェックしていこう!(チェックするのはいいけど、資産運用始めないの?)
さて、韓国・中国・ベトナム・香港と、部長達は色んなところに行っているけど、自分の海外出張は、どこにしようかなあ。。

次回へ続く。

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※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
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