第63話 「働き方改革」で株価が上昇しそうな業種とは?

(写真=PROKOPEVA IRINA/Shutterstock.com)

前回:突然海外出張が決まって驚いたが、どこに行くかはまだ決めていないのでひとまず日常業務に戻ることに。ふと外を眺めていて気になったビルやマンションの屋上有効利用について調べ、思っているほどカンタンではないことを知った。
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働き方改革関連法案ってどんなもの?

今年の夏は猛暑を超える「スーパー猛暑」といわれるが、本当に暑い。出勤するだけで汗だくになってしまう……。そんななかでもニシカワ先輩は、日中は外出や打ち合わせが多く、残業も続いていて忙しそうだ。何かあるんだろうか? 聞いてみよう。

「ニシカワ先輩、最近すごく忙しそうですね。何をされているんですか?」

「ん~まあ、いろいろあるんや、いろいろな・・・」

「教えてくださいよ。僕にできることならお手伝いしますよ」

「そんな単純なやつちゃうねん。まあワイがどっか行ってても部署が回るように業務はもっと教えといたるわ」

「えー。ニシカワ先輩がなにをやっているのか聞きたいんですよ」

「いずれわかることや。まあいつもヒマそうな自分とはちゃうんやw ほんま働き方改革が必要やで」

結局はぐらかされてしまったのでニシカワ先輩が何をやっているかはわからなかった。これ以上は聞き出せなさそうだなあ。
あ、そういえば「働き方改革」って確か関連法案が6月末に成立したはず。これって具体的にどんな影響があるんだろう?こっちの話ならいつも通り答えてくれるだろう。

「そういえば働き方改革関連法案って成立しましたよね? これってどんな影響があるんでしょうか?」

「もうちょっとしたら外出しますんで、オオタ部長、解説おねがいしまっせ」
それ、部長に対する頼み方じゃないでしょ(笑)

「働き方改革関連法案は、”長時間労働の是正“、”多様で柔軟な働き方の実現“、”雇用形態に関わらない公正な待遇の確保“といったことを目的としたものだ。まず、残業時間に細かいルールが設定され、違反した場合は罰則もある。また、10日以上の有給がある場合、年5日の取得が義務付けられたのもポイントだ」部長は平然と説明してくれた。もはや慣れすぎている。

「残業は私にはまだあまり縁のない話ですけど、有給取得の義務化は嬉しいですね!」
タカヤマさんが、すんなり話に入ってくる。かなり馴染んできたようだ。

「ただし、高度プロフェッショナル制度というものも同時にできて、研究職やコンサルタントなど専門性が高く、年収も高い職種は労働時間の規制対象外なんだ。これには賛否両論があって、国会でも一番もめた部分だろう。」

ガタッ
「ほ、ほないってきますわ」
突然、外出準備をしていたニシカワ先輩がすごい勢いで立ち上がり、去っていった。
高度プロフェッショナル制度と言う言葉を聞いて何か動揺しているようだったが、まさかそれがニシカワ先輩が最近外出が多いことと関係があるのか??我ながらなかなか鋭い洞察だ!

「そのほかにも、正社員・非正規社員に関係なく、勤続年数や成果、能力が同じなら、給料や各種手当、休暇や研修も同じ待遇にしなければならないというルールもできたぞ。それぞれ詳細を知りたければ厚生労働省のサイトで確認してみるといい」
部長は本当に何事もなかったかのように説明をするんだな。。。みんなマイペースだ。

>「働き方改革」の実現に向けて(厚生労働省)

すでに株価が上昇している関連業種も!

(写真=violetkaipa/Shutterstock.com)

さっそく厚生労働省のサイトで調べ始めたが、国の文書は読解力が低い僕にとっては極めて難解なので、解説しているサイトをいくつか回ってだいたいの内容を把握したところで、ニシカワ先輩が帰ってきた。

「どや、働き方改革は理解できたんか?」

「ええ、部長の説明といろいろなサイトを見て理解できました」

「ほんなら問題や。ズバリ働き方改革関連法案成立で株価が上がりそうな業種はなんや?」

「えっ!? えーとですね……残業時間が制限されるということは、これまで残業でまかなっていた業務をこなすために、人員を増やす必要があると思います。ですので、人材派遣や転職、求人関連企業の業績が上がると思われるので、株価も上がるのではないでしょうか?」
突然の質問だったので、なんとか思いついたのはこれぐらいだ。結構優秀じゃないか?

「まあ正解や。去年の春から働き方改革の話は出ていて、すでにこういった企業は物色されて去年のうちから株価が上昇していたんやで。ほかはどや?」
ほかもあるのか……、なんだろう? と答えに詰まっていると、タカヤマさんが答えてくれた。

「有給5日の消化が義務付けられるなら休暇を楽しむ人が増えると思うので、レジャーや旅行関連業種の業績も上昇して株価が上がるように思います」

「なかなかええ着眼点や。残業が減れば帰宅後に趣味に使う時間も増えるやろうから、動画配信や音楽配信サービス、ゲーム関連なども業績が上がるかもしれへんな」

「それなら退社後に立ち寄れるスポーツジムなんかも需要が増えるかもしれませんね!」

ふたりが会話している間に必死に考えた結果、自分もひとつ思いついた。
「あとは、テレワークや在宅勤務が増えれば、グループウェアやネットワーク関連、セキュリティ関連、勤怠管理システムの関連業種も業績が上がるのではないでしょうか?」

「それも考えられるやろな。来年の4月以降から順次、働き方改革関連法案が施行されるんや。それに合わせて各企業が準備を始めるから、投資するなら今からこうした業種の株価は要チェックやで」

「わかりました!」

働き方改革関連法案は、自分にはあまり関係ないと思っていたが、いろいろと影響が出てくるかもしれない。また、制度や法律が大きく変わるときには、それに関連する業種の株価にも大きな影響を与えることもわかった。株式投資家には常識なのかもしれないが、こういった着眼点があることを学べたのは大きい。新しい四季報が出たら細かくチェックしてみよう!(その前に株式投資できる資金を早く作りなさい)

それから、ニシカワ先輩の最近の怪しい外出についてもはやく解明しないとだな。
先輩のことだし、意外と何かに騙されたりしてるかも笑

次回へ続く。

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