第42話 会社四季報を読んでみる

(写真= Mizin Roman/Shutterstock)

前回:なんとなく使っている“景気”という言葉の意味を正しく知り、日本の景気と今後について考えた。投資はじめました第41話はこちら

謎の分厚い本の正体とは!?

12月中旬頃から、昼休みや休憩時間などちょっと空いた時間になると、部長と先輩がなにやら分厚い本を読んでいることが多くなった。そういえば、この部署に異動してきてから、こんなことが何回かあった気がする。きっとボクに隠れて、ふたりだけでなにかやってるんじゃ……? うん、そうに違いない!! 先輩に直撃して証拠をつかんでやる。

「ニシカワ先輩! 最近ずっとなにを読んでるんですか!?」

「なにって……、見てわからんのかいな? “会社四季報”に決まってるやろ」

「四季報って就職活動のときに読むやつですよね? ま、まさか、ふたり揃って転職を考えてるんですか?」

「アホw 会社四季報は就職活動のためだけにある本とちゃうでw」と大笑いの先輩。

「会社四季報は国内の全上場企業の所在地や資本金、株主、従業員数、業績などの基本情報が調べられるので就職活動のときも役に立つが、業界専門記者による独自の業績予想が株への投資をする上で貴重な情報になるんだ」とオオタ部長も呆れ顔で説明してくれた。

「すべての上場企業の情報を読んで、これから伸びそうな会社を探して買う銘柄を決めるっちゅーわけや」

「上場企業って確か3,000社以上ありますよね? それをすべてチェックするんですか?」

「そりゃ人によるやろな。最低でも自分の保有銘柄は確認するのが基本やとは思うで」

「“投資のバイブル”、“宝の山”という人がいるほど有益な情報が詰まっているから、株式投資をしている人なら細かい部分まで読み込む人が多いはずだ」

株式投資をする場合、そこまで情報収集しなければいけないのか……。有名な一流企業や身近な企業、話題の企業なんかを買えばいいと思っていた自分が恥ずかしい。

四季報はどこを読めばいい?

さっそく資料の本棚にあった古い会社四季報を開いてみる。情報がびっしり書かれているのはわかるが、いったいどこをどう読めばいいんだ、これ……。

「自分、目が点になってるでw どこを読んだらええかわからんっちゅー顔やな」

「はい……そのとおりです。いろいろ情報が詰まっているのはわかるんですが、どこをチェックすればいいのかがまったくわかりません」

「そりゃそうやろな。まずは四季報の読み方をマスターすることからはじめなあかんで」

「見るべきところはいろいろあるが、私の場合、まずは業績や動向の欄を読むことから始めるな。【 】でくくられた太字の見出しがついている部分だ。ここは、記者が独自取材をベースに中立の立場でコメントをしているから、ここの内容がよくて、細かい数値をチェックして納得できるものなら投資対象の候補にする人も中にはいるだろうな。逆にここの内容が悪い銘柄を持っている場合は、売却を検討する人もいるかもしれない」

「【最高益】【好調】などの見出しがあれば業績がいい可能性がある。逆に【赤字】【不調】といった見出しがあれば業績があまり良くないか可能性があるってことや。ここだけ読めば、その企業の状況がおおまかにつかめるやろうから、部長と同じように重視している投資家が多いところやと思うで」

「もうひとつ、私が必ず読んでいる部分が、社名のすぐ左にある【特色】だ。ここも、企業の情報がコンパクトにまとまっていて、特徴がわかりやすい。聞いたことのない会社でも、だいたいどんな事業をしているかがわかるので、重宝する部分だと思うぞ」

さっそく教えてもらったところを読んでみると、確かに企業の状況と特徴がパッと頭に入ってくる。これなら3,000社以上あっても、すべてチェックできそうかも。

今回のことでわかったのは、投資対象や投資方法についてはいろいろ勉強してきたが、経済や投資に関する基礎知識がまだまだ足りないということ。

部長や先輩に四季報の細かい部分の読み方を教えてもらって、基礎力を高めることにしよう。(自分の力不足を素直に認められるのは長所だよね)

次回へ続く。

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