第41話 今の日本、本当に好景気?

(写真=MaxxiGo/Shutterstock)

前回:オリンピックを前にした地価と不動産価格上昇の理由を知り、オリンピック後にやってくる2022年問題についても学んだ。投資はじめました第40話はこちら

そもそも景気ってなんだ?

前回、首都圏の地価と不動産価格の上昇について学んだが、地価が上昇するってことはいわゆる“景気”がいいんだろうか? というか、そもそも“景気”ってなんだ? そういえば、新聞で「いざなぎ景気を超えて過去最長」とかなんとか書いていたけど……?

わからないことだらけなので、ニシカワ先輩に聞いてみよう。そう思って先輩に視線を移すと、さっきまでは普段どおりだった先輩の顔が真っ赤で汗もかいている。これって、急に具合が悪くなったってこと?

「ニシカワ先輩、どこか具合でも悪いんですか?」

「なんやて!? どっちかゆーたら絶好調やで!」

「いや、顔真っ赤で汗もダラダラ流れてますよ……」

「アホか、ただカライだけや……こんなもん売ったらあかんがな……で、なんや?」
よく見ると、先輩は最近流行りの激辛スナックの袋を抱えていた。心配して損した……。

「はい、景気がいいとか好景気っていわれますけど、これってどんな状態なんですか?」

「知ってるようで、知らない系の質問やな。そもそも景気っちゅーのは、経済活動全般の状況のことや。つまり“景気がいい“ゆーたら、経済活動の状況がいい、お金まわりがよくて経済活動が活発っちゅーことやな。もっと単純にいえば、いろんな商売がうまくいってる状況や」

「商売がうまくいくってことは、会社やお店が儲かってる状況ってことですよね?」

「そやそや。商売がうまくいくやんか? ほなら仕事も増えるから働く人増やそうっちゅーことになって求人も増えるやろ? 業績よければ株価も上がるし、給料やボーナスも上がる、そしたらみんながお金を使うようになって、飲食店や小売店も儲かるし、車や不動産も売れる。そうやって経済も社会も元気で活発になるっちゅーことや」

「経済全般が好循環になってるということですね?」

「そやな。好景気になればみんな幸せっちゅーことや」

先輩の説明で“景気がいい”の意味はわかったが、今ひとつ釈然としない。なぜなら、ずっと景気回復といわれてるのに、先輩の説明のような実感がまったくないからだ……。

景気は拡大しても給与は増えず…

(写真=mickyteam/Shutterstock)

今、日本は好景気なんだろうか? この疑問をオオタ部長にぶつけてみる。今日も突然話かけられる前に質問するスタイルで攻めるぜ!(そんなキャラだったっけ?)
「オオタ部長、質問させてください。今、景気がいいというようなニュースを見ますが、全然実感が湧かないんです。なぜなんでしょう?」

「なかなか難しい質問だな。確かに株価も上昇し、失業率や有効求人倍率、景気動向指数などの各種のデータでは“景気がいい”ということを示しているんだが、キミのように実感がないという意見が多いのも事実だ」

「それはなぜなんでしょう?」
「ひとつの理由として考えられるのは、労働者の給料やボーナスがそれほど増えていないからだろう。もらえるお金が増えなければ、いくら景気がいいといわれても実感がないのはわからなくもない」

「確かにいただいている給料は大きくは増えてませんが……」

「自分、そうゆうのは上司に直接いったらあかんがなw ええか、『いざなぎ景気超え』ゆーても、経済が成長している期間が長いだけで成長率は1~2%なんや。あと、バブル期を超える有効求人倍率ゆーても、そもそも少子高齢化で労働人口が減ってるわけやから、考えてみれば当然のことかもしれん。そやから、給料には反映されないし、物価もちょっとずつ上昇してるから、庶民にとって実感ないのもわからんくもない」

「ニシカワくんのいうとおり、緩やかに長く続いているだけで、大きな経済成長をしているわけではない。また、一部の企業が大きく儲けて、一部の人間が大きく稼ぐようになっているのも事実だ。だから、景気回復といわれても庶民に実感が湧かないのは仕方のないことだろう。これから先、多くの企業が従業員の給与やボーナスを増やせるほどの景気回復になるかどうかが、本当の意味での好景気になるかどうかの分かれ道になるだろうな」

なるほど、だから自分には景気がいいという実感があまりないわけだ。はやく、本当の好景気を味わってみたい! 給料が増えたらいろいろやりたいことができて、欲しいものも買えて、人生もっともっと楽しいんだろうなぁ!(そのためにはもっと一所懸命に働きなさい!)

 

次回へ続く。

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