第38話 世界的なブーム?“民泊”ってなんだ?

(写真=Africa Studio/Shutterstock)

前回:仮想通貨の基本的な仕組みであるブロックチェーンについて学び、世の中にはスゴイことを思いつく人がいるもんだと感心した。投資はじめました第37話はこちら

空き部屋を旅行客に貸す新しいビジネス

いつものように駅から会社に向かっていると、不意に後ろから女性に声をかけられた。ドキドキしながら振り返ると、そこにはマイコ先輩が! 先輩から話しかけてくれるなんて今日はなんてツイてる日なんだっ!

正月休みのことなどを話しながら一緒に会社に向かう。なんでもマイコ先輩は家族で香港に行っていたそうだ。その話のなかで気になったのが“ミンパク”を使って安く泊まったという話だった。

とりあえず、知っているふりでスルーしたが“ミンパク”っていったいなんだ?

会社に着くとすぐに“ミンパク”について調べる。どうやら、ホテルや旅館ではなく民家などに泊まることらしい。
思わず「だから民泊ね……」とつぶやいたのをニシカワ先輩は聞き逃さなかった。

「民泊のこと調べるなんて、なかなか目のつけどころがええやないか」

「いえ、実は民泊についてまったく知らなかったので……。
民泊って日本でいうと民宿に近いイメージなんですかね?」

「ちょっと違うな。ホストの家の一室を借りて泊まるホームステイのような形式もあれば、ゲストハウスのようにいっぺんに大勢をリビングに泊める形式、マンションの空き部屋や家一軒を丸ごと貸す形式まで、民泊にはいろいろあるんだ」

「なるほど、空き部屋やマンションを旅行客に貸し出して宿泊料金をもらうビジネスってことですね。これも投資としてはありですよね?」

「そうやな。どんなパターンで投資できるか考えてみいや」

課題もある日本の民泊

(写真=Blue Planet Studio/Shutterstock)

ニシカワ先輩の言われたとおり、民泊に投資する方法を考えてみる。まずは、単純に自分の家を民泊施設紹介サイトなどに登録し民泊に使う方法が思いつく。しかし、ホストとして宿泊客の対応をしなければならないのが自分生活スタイル・時間が合うかどうかだ。外国人のお客さんには最低でも英語の日常会話ができないと厳しいだろう。そのかわり、宿泊料金のほとんどが自分の収入になるのでリターンも大きいということになる。

こうした手間を避けたいのであれば、民泊を運営したい人に家を貸すという方法もある。この場合、手間はかからないが収入は家賃分で固定されるので、利益としては少なそうだ。そもそも、家賃目的なら賃貸に出すという方法もあるので、民泊用に貸すのなら多少上乗せしないとメリットがないように思う。

このどちらかで民泊の運営はできそうだ。ということで、ニシカワ先輩に報告する。

「んー、70点てとこやな。自分で民泊用に物件を借りて民泊施設紹介サイトに登録して運営する方法もあるやろ? そもそも持ち家がない場合、買うか借りるかせんといけんで? 自分、貸す部屋ないやんか」

いわれてみれば確かにそうだ。賃貸だし部屋もひとつだし、貸すのは難しいだろう。

「民泊の投資方法として、まとめると、

・自分の家を民泊施設紹介サイトなどに登録し民泊に使う
・民泊を運営したい人に家を貸す
・自分で民泊用に物件を借りて民泊施設紹介サイトに登録して運営する

の3つが考えられると思う。しかし、現実的には法律や条例、マンションの規約、賃貸なら転貸可能かなど、いろいろクリアしなければならないことがあるから話は複雑なんだ。そもそも、現行の「旅館業法」では、無届けの民泊は違法行為になってしまう。

そこで、旅館業法の規制を緩和したり、国家戦略特区に限って旅館業法の適用を除外したり、「住宅宿泊事業法」という新法で民泊に関するいろいろなルールを決めたりしている。ところが、新法でも宿泊日数の上限が180日(泊)に規制されているうえに、周辺住民とのトラブルなども増加しているため、まだまだ日本では民泊を取り巻く環境は厳しいといわざるを得ないだろう」とオオタ部長らしい的確な説明が入る。

「ということは、空き家や空き部屋があるなら副収入にはなるって感じですね……。手続きとかも大変そうですし……」

「とはいってもだな、訪日観光客は年々増加していて、2020年に行われる東京オリンピックの需要もあるだろうから条件さえ整えば、投資対象として魅力的な物件もあるはずだ。たとえば、ついこの間(2018年1月17日)、大手不動産ポータルサイトが、民泊施設紹介サイトとの業務提携により民泊関連事業へ参入することを発表したのは知っているか。賃貸管理会社やオーナーに空室を民泊に活用できるよう提案して運営も支援するそうだ。もう少し市場と環境の成熟が必要だとは思うが、ビジネスチャンスと捉える新しい動きも出ているから、法改正などにも注目はしておいた方がいいだろう」とオオタ部長がまとめたところで民泊の話は終わりになった。

何気ない会話をきっかけに民泊のことを調べることになったが、ビジネスチャンスではあるものの、まだ環境が追いついていない印象だ。そもそも、ボクは民泊に使える物件も持っていないし、新しく買えるほどの資金もないので、机上の空論なのだが……。

それでも民泊のホストってなんだか素敵だ。外国人観光客をマイコ先輩と一緒に迎えて、食事をふるまったりできたら楽しいだろうなぁ(いつものように妄想全開です)

 

次回へ続く。

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