第37話 ブロックチェーンってなんだ?

(写真=Zapp2Photo/Shutterstock)

前回:1年で価値が20倍に急騰し、大きな注目を集めるビットコイン。一攫千金も夢ではないその魅力とリスクについて学んだ。投資はじめました第36話はこちら

ブロックチェーンってなんだ?

ここ1カ月、大きな話題になっている“ビットコイン”。そのビットコインの話題に必ず出てくるのが“ブロックチェーン”という言葉だ。なんでも、ブロックチェーンはビットコインの根幹をなす技術で、金融システムを変える可能性まであるという。

このブロックチェーンについて、ひととおり説明を読んでみたが、文系の自分にはなにがなんだかさっぱり……。ここはニシカワ先輩に聞いてみよう。

「先輩すみません。ブロックチェーンについて調べているんですが、正直なにがなんだかわからないんです、わかりやすく教えてくれませんか?」

「ブロックチェーンをわかりやすくかいな。そりゃけっこうな難題やで……そやな、まずブロックについて説明しよか」と珍しくキレの悪い先輩。そんなに難しいのか……。

「ビットコインを例に説明すると、ブロックっちゅーんは、ビットコインのすべての取引履歴を記録している台帳なんや。現実の台帳と一緒でブロックも記録できる量が決まってるから、満杯になると新しいブロックに取引を記録していくんや。このブロックがチェーン状につながっていくからブロックチェーンいうんや。そして、このブロックは世界中のコンピュータに分散して保管されているっちゅーのもポイントやな」

「台帳1、台帳2、台帳3とつながっていくわけですね?」

「そやそや。で、ここがキモなんやけど、新しいブロックにはその前のブロックのハッシュ値ってのが含まれているんや。ようは、台帳2に“その前は台帳1ですよ”という情報が入ってるっちゅーわけや」

「ハッシュ値ってなんですか? ポテトですか?」

「つまらんボケやな……これだから関東のヤツはおもろないっちゅーねん。と、それはおいといてやな、ハッシュ値っちゅーのはデータ全体を変換して一定の長さのデータにしたもんなんや。データがほんのちょっと変わるだけでハッシュ値は変わるから、そのデータが改ざんされたのか、本物なのかどうかの証明になるんや」

「はあ……」正直、関西人でも面白くない人いっぱいいると思うんですけど(そこじゃない)

「続けるで? 仮に誰かがどこかのブロックの取引履歴を改ざんしたり、データが破損したりするとハッシュ値が変わるやろ? すると、次のブロックのなかに含まれるハッシュ値も変わる。するとその次のブロックのハッシュ値も変わって、とずっと連鎖していくことになるんや」

「でも、そのハッシュ値が変わっても書き換わってつながっていくんなら、改ざんされてもわからないんじゃないですか?」

と、ここでオオタ部長がいつものように突然口を開く。
「まさしくそこがブロックチェーンのポイントだ。ビットコインの場合、ハッシュ値の先頭に0が一定数並ぶという規則が決められていて、それ以外のハッシュ値を持つブロックは無効となる。ブロックには0が一定数並ぶようにデータを調整する部分があって、規則に合うようなハッシュ値を作るためには、この部分のデータを変えてハッシュ値を計算、規則通りにならない場合、また調整する部分のデータを変えて計算、と繰り返していくことになる。つまり、総当たりで計算するしかないというわけだ」

「ひとつのハッシュ値を規則通りにするだけでも膨大な計算が必要なんや。それが、次のブロックも再計算、その次のブロックも再計算とつながっていくんやから、改ざんするのは事実上不可能っちゅーことや」

ブロックチェーンが世界を変える!?

(写真=whiteMocca/Shutterstock)

ブロックチェーンの大まかな仕組みはわかったような気がするが、改ざんできない理由がいまいち納得できないので、続けて聞いてみる。
「でも、がんばって計算し続ければ、いつかは全部規則通りのデータに書き換えられますよね?」

「そりゃそやな。そこで、ブロックの一番長いつながりのみが正しいデータとされるっちゅーもうひとつの決まりがあるんや。いくらがんばって計算しても、正しいブロックのほうが早く進むから、改ざんして途中から分岐したデータは無効になるわけや」

「でも、誰かがすごい性能のスーパーコンピュータで計算したら、改ざんしたブロックのほうが速いんじゃないですか?」

ここで再びオオタ部長が登場。
「ニシカワ君が説明したように、ブロックチェーンには世界中のコンピュータが参加している。新しいブロックを作るためには、さっき説明していたようにハッシュ値が規則に合うようにするための膨大な計算が必要だ。世界中のコンピュータが正しいデータで計算をして新しいブロックを作るから、改ざんしたいならひとりで世界中のコンピュータの計算スピードを上回って新しいブロックを作らなければならない。これは現在のマシンスペック上、不可能に近いんだ」

「そういうことだったんですね、わかりました。それにしてもブロックチェーンって本当によくできた仕組みになっているんですね」

「そうだ、だからブロックチェーンの技術は世界のシステムを変えるとまでいわれているんだ。改ざんがほぼ不可能なうえ、データは世界中に分散して保管されるのでデータ消失のリスクもほぼゼロ。しかも運用コストが低いとメリットは大きいだろうな。従来の大型サーバーにすべてのデータを記録し、万が一に備えて複数のバックアップを取っているようなコストのかかるシステムは、すべてブロックチェーンに置き換わる可能性すらある。だから、世界中の企業や研究機関がこぞって開発に力を入れているというわけだ」

なるほど、ビットコインがこれだけ話題になり、注目される理由がわかったような気がする。ビットコインを昔から持っていた人たちは、この技術の真価に気づいていたのだろう。うーん、もう少し早くきちんと勉強しておくべきだったなぁ。そうすれば今頃は僕も……(妄想モード突入)

 

次回へ続く。

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