第32話 使ってない駐車場を貸せるの?

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前回:結婚式など冠婚葬祭の費用を積み立てる互助会のことを知り、結婚について真剣に考えるようになった。投資はじめました第31話はこちら

楽しいはずのドライブデートが……

先週の日曜日は車でドライブデートを楽しんだが、ちょっとしたことでケンカをしてしまった。どのコインパーキングも満車で駐車場を探し回るうちに、つい口論になってしまったのだ……。

そんなわけで今日は気分が重い……。結婚式の積み立てを始めるまえに彼女の理想の結婚式をリサーチしておきたかったんだけど、雰囲気が悪くなってもうそれどころじゃなかった。

「自分、朝からため息ばっかりでなんか暗いで? 彼女とケンカでもしたんか?」とニシカワ先輩が直球で切り込んでくる。

「ケンカというか、車を停める場所が見つからなくて、お互いイライラしてしまいまして。それでちょっと口論に……」

「それをケンカっちゅーんやで? しかしアホやなー自分。そんなん“駐車場予約”しとけばええだけの話やんか?」

「え、予約ですか?」

「なんや知らんのか、今は駐車場を予約できるサービスがいっぱいあるんやで。ちょっと検索すればいくらでも見つかるわ」

貸し手も借り手もwin-win ~駐車場をシェアする~

(写真=shigemi okano/Shutterstock)

さっそく調べてみると、先輩の言葉どおり駐車場予約サービスがいくつもみつかった。これを先にやっておけば、あんなケンカ、いや口論をせずに済んだのに……。

「どや? たくさんあるやろ?」と先輩。

「はい。でもこれってどういうシステムなんですか? 今まではタイミングよく空いているコインパーキングを見つけて駐車するのが一般的ですよね?」

「たとえばやな、コインパーキングは満車なのに隣の月極駐車場は車が空きだらけ、そんな光景見たことないかぁ? つまり、月単位で借りたい人は少ないかもやけど、短時間なら停めたい需要があるかもしれんっちゅーことや。

そこに目をつけたのが“空いてる駐車場をネットやスマホのアプリで予約できる”サービスっちゅーわけや」

「カンタンにいえば、“誰でも”駐車場ビジネスが始められるってことだ。空いている月極駐車場だけではなく、使っていない自宅の駐車場を貸すこともできるし、平日、車出勤の人は、その空いた駐車スペースを日中だけ貸す、なんてこともできるなぁ。他にもマンションによっては空き駐車場を貸して維持管理費に充てているところもあるし、空き地に駐車スペースを区切って貸している人だっているぞ。

利益を生まない空き駐車場や遊休スペースで困っているオーナーは時間貸しで利益が出るようになり、ネットやアプリで予約をすると、利用者はトラブルさえ無ければ、確実に駐車できるので、双方にメリットがあるサービスといえるな」とオオタ部長も話に入ってくる。

「そうか! コインパーキングのようにロック板 (フラップ板) や精算機の設置費用が要らないし、貸すのを辞めるのも自由だから、駐車スペースさえあれば誰でも手軽に始められるんですね。これって投資と考えればかなり魅力的ですよね」

「そやそや。観光地や人気スポット、大規模イベント施設、駅の周辺なんかは需要があるハズやで」とニシカワ先輩。

「なるほど、そういうことですねぇ!実際に、駐車場 (空いている土地や車庫等)の貸し手にとって、いくらぐらい収益があがるものなんですか?」

「自分で調べろと言いたいところだが、文字数の関係もあるから答えを言うぞ。
場所や時間帯等の条件で料金に色々変動はあるが、たとえばこのサービスを受けている駐車場 (15分間の駐車で90円)で2時間の利用があった場合、
【15分毎に90円×2時間の利用(120分)=720円】この720円が駐車場利用者の駐車料金だ。そしてこのサービスは、
『駐車場の貸し手は駐車料金の60%を貰える』というビジネスモデルで、
この場合、720円×60%=432円が駐車場の貸し手の収益となるんだ」とオオタ部長。
編集者の手間まで考えていらっしゃるのですね。

「へぇ~、すごいです! 何も用途がなかった遊休スペースで2時間で432円の収益が発生しましたね! ボクも今すぐはじめちゃおうかな~」

「おい、そもそも自分駐車場を持ってへんやろ? 貸せる駐車場がなけりゃ始められへんで?」とニシカワ先輩からのすばやい切り返しが。

「そうですよねぇ…。 部長、たとえばアパートの駐車場を一台分借りて、普段は自分の車を停めて、空く時間だけ貸すのはダメですかね?」

「それはダメだ。“転貸”といって規約で禁止されていることがほとんどだろう」と部長にあっさり否定される。

ずっとマイカーが欲しいとは思っているものの、駐車場も含めた維持費が高いので手が出せずにいた。このサービスが維持費の足しになるならと思ったのだが……。

帰宅後、彼女に口論になったことを謝るメッセージを送る。既読にはなったがなかなか返事がこない。まだ怒っているのかな……?

不安な気持ちになりながら画面を見つめたまま返信を待っていると、やっと彼女からの返信が届く。

急いでメッセージを確認すると……

「いろいろと考えましたが、あんな些細なことでイライラして当たり散らす人とは思っていませんでした。ほかに素敵な女性を見つけてください。今までありがとう、さようなら」

え!? えええ!! え―――!!!

これってもしかしてもしかして別れようってこと? もしかしてフラれちゃったの?
(もしかしてではなく、確実にフラれていますよ)

 

次回へ続く。

 

※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
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