第22話 セルフストレージ投資ってなんだ?

(写真=shigemi okano/Shutterstock)

前回:若者を中心に人気を集めている24時間営業の小規模なフィットネスクラブ。実はこのようなフィットネスクラブが投資対象としても魅力的だったことを知る。
投資はじめました第21話はこちら

個人向け倉庫を貸す新しいビジネス

今日はオオタ部長、ニシカワ先輩と一緒に千葉県ヘ出張。部署の異動後、3人で外回りするのは初めてで、ちょっと緊張する。

駅でレンタカーを借りて、大きな道を走っていると「コンテナ倉庫」の看板がいくつか目に入った。

なんとなく世間話のつもりで、
「最近このコンテナ倉庫って増えてますよね?」
と話題を振ってみると……

「そやな、手軽に始められて利回りがいいってことで、一部の投資家の間ではブームになってるで」とニシカワ先輩の意外な答えが。

「えっ? こ、これも投資対象なんですか?」

「そうだ。個人向けに倉庫を貸すコンテナ倉庫とトランクルームを合わせて“セルフストレージ投資”と呼ばれているな。不動産投資の新しいカタチといっていいだろう」とオオタ部長。

「トランクルームって、小さな部屋がいっぱい並んでるやつですよね?」

「そやそや、どっちも倉庫を人に貸して賃料をもらうビジネスやで」

「なるほど、日本の住宅事情だと収納スペースが足りない家が多そうですもんね。だから増えてるんだ」

「アメリカだと1970年代からこうしたビジネスがあって、現在1700万室、10世帯に1世帯は利用しているらしいで。日本はまだ推計50万室で、自分が言うように日本の住宅事情を考えるとこれからもっと伸びるという予想が多いようや。だから投資対象として魅力的なんやろな」とニシカワ先輩。

「ニシカワ先輩は本当にいろいろ詳しいですね」
先輩の投資に関する知識の豊富さには舌を巻くしかない。

「ニシカワくんは、スマホで調べてしゃべってるからな」

「部長~、バラさんといてくださいよw」

なんだぁ、感心して損した……。

不動産投資としてのハードルは低め

(写真=al_papito/Shutterstock)

「でも、セルフストレージ投資が狙い目っていっても、初期費用が1千万必要とかで、ボクみたいな人間は手が出せない話なんですよね?」

「実は、セルフストレージ投資は初期費用がそれほど必要ないらしい。コンテナにしろ、部屋を細かく仕切るパーテンションにしろ、意外と費用が掛からない。最もお金の掛かる水回りの設備がいらないことも費用がさほど掛からない要因として大きいようだな。活用できる土地や建物、部屋があれば300万円程度で始められるようだぞ」

「300万円やったらサラリーマンでも手が届く金額ですやん」

「ですね。でも、どれくらいの期間で投資したお金を回収できるんでしょう?」

「年利換算で7~10%程度が一般的なようだな。だいたい10~15年で資金回収が終わり、あとは利益になる計算だな」

「それはなかなか良い条件やないですか! よっしゃ、やってみよかな」
なぜかニシカワ先輩が食いついてる。

「もし、本当に始める気があるなら、最初はセルフストレージを手掛ける業者の説明会、ネットの口コミなどで情報を集めたほうがいいだろうな。自分の投資スタイルにあったセルフストレージを探すために、予備知識は必要になってくるぞ」と、たしなめるオオタ部長。

「さすがに何も調べずに手を出すような素人じゃありませんてw」

「うまい話ばかりですが、失敗することってないんでしょうか?」

「ポイントは立地やろな。コンテナ倉庫なら車で乗り付けやすい場所、トランクルームなら周辺人口が多くて、手狭なマンションや戸建てが多いエリアや」

「そのとおりだ。コンテナ倉庫はやはり車が入りやすい立地が重要とされている。実際、大通り沿いに多いのはそれが理由だ。トランクルームは、周辺人口がポイントとなるだろう。自営業者が倉庫代わりに借りる需要もあるようなので、そのあたりも考慮して土地を選ぶのが大切だな」

今日のオオタ部長はやたらしゃべるが、セルフストレージ投資に詳しいんだろうか?
「オオタ部長は、セルフストレージにとても詳しいんですね」

「まあな……」

「ほんまや、部長やりますやん……って、部長もスマホで調べてるやないかい!」

「……バレたか、ハハハ」

やっぱり部長は謎だ。実はとんでもなくオチャメな人なのかもしれない。

それにしても、セルフストレージ投資は興味がそそられる投資だ。自分の部屋も収納スペースが少なく、季節家電や服をしまう場所に困っているくらいだし、きっとセルフストレージを利用しているみんなもそうなんだろう。

大きな家の多いアメリカでも需要が伸びているということは、日本の都市部ならこれからもっと伸びるんではないだろうか。マンション投資はとても手が出せないが、セルフストレージ投資ならなんとかなるかも……と考えていると、ニシカワ先輩の一言が。

「なあ、ところで目的地はまだか? だいぶ走ったんやけど?」

慌ててナビを見ると、とっくに目的地を通り過ぎてしまっていた! 部長との初めての外出でこの大失態……将来に響くかも!?

 

次回へ続く。

 

※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
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