不動産投資はNOIで考えよう 収益不動産の実力を表す指標

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(写真=PHOTOBUAY/Shutterstock.com)

インフレーションに強く、株式投資と比べ資産価値が安定しているといわれている不動産に投資をしようと考えている人もいるだろう。どのような不動産物件に投資をすればよいのか、だれしも悩む問題である。対象物件の収益性が高いかどうか、その判断をする不動産投資の指標の一つであるNOIについて解説する。

NOIとは

NOI(Net Operating Income)とは、営業純利益という意味で、不動産物件の収益性は、NOIを不動産価格で割って求めたNOI利回りで判断できる。NOI利回りは、純利回り、ネット利回りなど様々な言われ方をしているが、実質利回りのことである。

表面利回り(グロス利回り)が、物件価格に対する年間賃料収入の割合であるのに対し、実質利回り(NOI利回り)は年間賃料収入から諸経費を引く点と物件価格に購入時の諸費用を加える点で異なり、NOI利回りは、以下の計算方法で求めることができる。

【純収益(年間賃料収入-諸経費)÷(物件価格+諸費用)×100】

諸経費には固定資産税や管理費用、修繕費や保険料が含まれ、諸費用には不動産取得税や不動産会社への手数料が含まれる。また諸経費には支払金利や減価償却費は含まれない。

NOI利回りを実際に計算してみよう

例えば、総投資額1億円(物件価格+諸費用)、年間賃料収入(満室時)800万円、保有時諸経費288万円、減価償却費1,000万円のような物件があったとして、実際にNOI利回りを求めてみる。

NOI利回り=(800万円-288万円)÷1億円×100=5.12%……(A)

従来から用いられている表面利回りを求めると、表面利回り=800万円÷1億円×100=8%となり、諸経費を考慮していないため、数値自体はよく見える。また、年間賃料収入に空室率を考慮する場合もある。空室率10%、年間賃料収入(満室想定)に対する運営に係る諸経費の割合である運営費率が36%の場合、次のような計算をすることもできる。

NOI率=100%-(空室率:10%+運営費率:36%)=54%

NOI率は、空室があった場合の賃料未収入分と運営費などを控除した収入の割合である。NOI率を用いることにより、対象物件の価値をより現実的な数値で比較することができるようになる。

NOI率をもとにさらに精度の高い収益性を表す指標を求めることができる。NOI利回り=表面利回り×NOI率で計算すると、

(800万円÷1億円×100)×54%=4.32%……(B)

となり、前述の(A)は空室率を考慮しない数値だったが、空室率を考慮し、収入を10%減の720万円として計算すると、NOI利回り=(720万円-288万円)÷1億円×100=4.32%となり、(B)と同じになることがわかる。(B)ではNOI率を使えば、表面利回りから実質利回りを導き出せることになる。

近隣不動産や同条件のNOI率などを用いれば、NOI利回りとNOI(営業純利益)を求めることができるため、実態を反映していない表面利回りや満室時賃料を提示された場合に、該当物件の収益性について大まかな判断ができるので有効だ。表面利回りが同じ新築物件と中古物件を比較した場合、メンテナンス費用(保有時諸費用)が多くかかる可能性のある中古物件では実質利回りは低下することが多い。

NOIを使用する際の注意点

NOIを使用するためには購入時費用や保有時費用を集める必要がある。具体的には、固定資産税や都市計画税などの租税公課、火災保険などの保険料、管理運営に必要な清掃費やメンテナンス費用、共用部分の水道光熱費や日常的な修繕費用、不動産会社に支払う手数料などが挙げられる。

またNOIをはじめとする数値を用いる場合、提示された数値がどのような数値なのかを確認しないとNOIは使えない。一口に利回りと言っても複数あるため、今回紹介してきた数値は最低限理解しておく必要があるだろう。

状況に合わせてグロスとネットを使い分ける

より実態に近い収益性を表すためにはNOIで考えた方がいいのは確かだ。ただ、NOIを算出するためには、前述の通り固定資産税や管理費用、修繕費用など細かいデータが必要である。

購入時費用や保有時費用がほぼ同じ物件を比べ、二者択一したい場合は、無理してNOIを求めなくても表面利回りで十分な場合もあるだろう。状況に合わせて表面利回りと実質利回り(NOI利回り)を使い分けたいところだ。(提供元:株式会社ZUU)

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