第11話 不動産小口投資ってどんなもの?

(写真=pogonici/shutterstock)

自己資金少額で始められるアパート経営に飛びつこうとし、部長とマイコ先輩に投資の基本がなっていないとたしなめられた自分。甘い考えを反省し、正しい投資の知識を学んでいこうと決意を新たにした。

前回:「アパート・マンション経営」について学んだことで、投資の本質がまたひとつ理解できた。投資はじめました第10話はこちら

アパート・マンション経営や不動産投資のことを調べまくったせいか、やたらとパソコンに不動産投資関連の広告が表示されるようになった。Google先生は便利な半面、ちょっと怖いとも思うのだが、そのなかに「不動産の小口化商品」という気になる言葉を発見した。

リンク先をちょっと読んでみると、なんでも少額で不動産に投資できるものとのこと。よし、今回はこれについて調べていこう!

資金が少なくても始められる不動産投資

不動産の小口化商品というのは、文字通り不動産のなんらかの権利を小口に分けて販売する商品だそうだ。自分のように不動産投資はしてみたいものの、資金不足で手が出ない人でも比較的少額から不動産に投資できることから巷では少しだけ人気になっているらしい。

仕組みは、複数の投資家が出資した資金を原資にして不動産へ投資し、賃料収入などの収益を出資した投資家に配分するというものだ。実物不動産投資の場合、投資対象にもよるが、大都市圏の物件なら数千万円、地方の物件でも1,000万円程度は必要になるということは前回学んだ。しかし、不動産の小口化商品なら一般的に100万円程度から投資できるようだ。

これなら何千万円もローンを組むというリスクを冒さなくても、不動産投資を始めることができるわけだ。

ちょっと待てよ? これって不動産投資信託の「REIT(Real Estate Investment Trust)」と何が違うんだろう? 困ったときのニシカワ先輩頼みで、聞いてみることにする。

「ニシカワ先輩、お食事中すみません。不動産の小口化商品とREITの違いってなんでしょうか?
いや、不動産なのでマイコ先輩に聞いたらよろしいでしょうか?」

っ!!!!
ニシカワ先輩が振り向く。

「お!? チョイ待ち!
食事中ちゃうで、昨日発売されたばっかりのポテチや。
いや…その話ちゃうな。REITやな。
でな、REITっちゅーのは、投資家から集めた資金をオフィスビルとかマンションとか複数の不動産に投資して、その賃貸収入や売買益を分配するんや。株のかわりに不動産に投資する投資信託ってわけや。数万円から投資できて、上場されているので自由に売買できる。わかったか?」

「は、はい。わかりました。でもREITはさっきWEBで調べたんですが、不動産の小口化商品が知りたいんです。
ご存知ですよね?
ニシカワ先輩なら分かりますよね?
伺いたいのは、
不動産の小口化商品はみんなでお金を出し合って不動産に関連する何らかの権利をもって、賃料を分け合うというイメージで合ってますか?ってことなのですが」

「おっと。それは・・・。」
ニシカワ先輩は動揺によりポテチが手から落ちた・・・。

「や、やばい・・・
こやつ・・・
オレを超え始めている。何とかせねば・・・」(なんとかってw)

「不動産の小口化商品は、『不動産特定共同事業法』という法律でいろいろ定められているんだ。国土交通大臣や都道府県知事の許可を受ける必要があって、資本金1億円以上の宅地建物取引業者であることや財務状況などの審査も厳しくなっている。これは投資家を保護するためなんだ。また、REITと不動産の小口化商品の違いは商品によって異なるが、1つの大きな違いは、REITは上場されているので日々値動きがある。それに比べ、不動産の小口化商品は上場されていないので、日々の値動きがあまりないことだ。」いつものように、突然オオタ部長が口を開く。さすがにだいぶ慣れてきたとはいえ、ビックリするな……。

小口化商品のメリット・デメリットとは?

(写真=hywards/shutterstock)

「自分で興味を持って調べて、わからないところを聞く。最初の頃はなんでもかんでも聞いてくることが多かったが、だいぶ変わってきたな。その調子で頑張れよ」最近、だんだんと認めてもらえることが多くなってきた。これは励みになる。

なんで不動産を小口化するんだろう。
そのメリットは?

「不動産の小口化商品=不動産特定共同事業法を使った不動産小口化商品
のメリットなんですけど、
・資金が少なくても不動産投資を始められること
・口数あたりの金額が低く、分散投資できるので、リスク分散
と考えられますが他は何があるんでしょう?」

「あ、、うっ・・・・汗
不動産の小口化商品のくだり早く終わらんかな」

「オオタ部長、不動産の小口化商品に詳しい人いませんかね?」
「私の知り合いにいる。今呼んでみるか」(今ですかw)

「ナルトコーポレーションのムロキです。はじめまして」

「ムロキさんのオフィスはたまたま同じビルにあるんだが、参加したセミナーの講師でお話を聞いてからの知り合いだ」
ニシカワ先輩もオオタ部長も不動産のセミナー好きですねw

「ムロキさん。不動産の小口化商品のメリットなんですけど、
・少額での投資
・分散投資によるリスク分散
と考えられますが他は何があるんでしょう?」

「はい。不動産を買うとなったら、物件の管理も考えなくてはなりませんが、不動産の小口化商品は不動産特定共同事業を行う免許を持ったものが管理・運営を行うので、実物不動産に対する投資と比べると、手間がかかりません。
あと、そもそもの不動産投資のメリットである利回りもあります。」

「では、私からも質問だ。不動産の小口化のデメリットはなんだかわかるか?」と今度はオオタ部長からの私へ質問だ。

「デメリットは、不動産購入、不動産管理や物件の会計をまかせる分、手数料で利回りが低くなることだと思います。もちろん、投資ですので元本割れのリスクもあります」なかなか、これはいい答えなのではないだろうか。

「そうですね。基本的にはそうですが、小口化商品はREITに比べると流動性が低いということがデメリットと考える投資家もいらっしゃいます」とムロキさんが流石の上書き。

なるほど、投資商品として不動産特有のリスク元本が保証されないからリスクはあるが、株や他の投資商品と比較してもよさそうだ。

今回も勉強になった。自分はいつも投資商品の仕組みや方式、利回りなどは調べるが、その先のメリット・デメリット、リスクとリターンにまで考えが及ばないことが多い。投資にはどちらも必ずつきものなので、ここをおろそかにしてはいけないんだということがわかってきた。

「不動産小口化商品と似たような概念で、クラウドファンディングというものもあるぞ。これについても調べてみるといいだろう」とオオタ部長からアドバイス。

「クラウドファンディングですね。さっそく勉強してみます!」

フフフ▼▼。
それなら断然オレの方が詳しい▼▼。

あれ?
ニシカワ先輩の目が怖いのはなんでだろう・・・?

 

次回へ続く。

 

※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
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