「不動産の小口化」ってREITとどこが違うの?

電卓を使って計算をする男性
(写真=PIXTA)

マイナス金利の導入や2020年の東京オリンピック開催などで、不動産投資は近年にないほど盛り上がっている。日銀による追加緩和により、将来インフレが起きる可能性が懸念されるなか、インフレに強いといわれる不動産投資に関心が集まっている。首都圏のマンション価格もここ数年は上昇傾向にある。

不動産へ少額で投資できるREIT(リート)とは?

不動産投資はしたいが高すぎて手が出せない……、そんな方も少なくないはずだ。不動産に投資する他の手段として「REIT」を連想する方もいるだろう。REITとは、「Real Estate Investment Trust」の略で、日本語では「不動産投資信託」とも呼ばれる。多くの投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設、マンションなど複数の不動産に投資して、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する金融商品だ。

投資信託の不動産版と思えばいいだろう。数万円程度の小口資金で投資ができ、証券取引所に上場していて、株式と同じように売買ができるため流動性も高い。日本市場に上場されている銘柄は「J-REIT」とも呼ばれている。

少ない資金で不動産投資ができるのはREITだけじゃない?

「投資の世界で不動産の小口化商品といえばREIT」――そんなイメージを持つ人が少なくないはずだ。ところが、「不動産小口化商品」と呼ばれる方法があることをご存じだろうか。

不動産小口化商品の一つには、不動産の所有権を共有持分などの小口に分けて販売する商品があり、投資家が安心して投資できるように「不動産特定共同事業法」と呼ばれる法律によって規制されている。不動産小口化商品の事業者は、国土交通大臣、都道府県知事による免許制が取られている。投資家に対するディスクロージャー(情報公開)の義務付け、年に一度、監督官庁への事業報告も義務付けられている。投資家保護の背景には、1980年代後半のバブル期に登場した不動産小口化商品が、バブル崩壊によって大きく値崩れし、マネジメントしていた不動産会社が倒産するなど、損失を被る投資家が数多く出たことがある。そうした経緯もあって、1995年に投資家保護の目的から法整備されて再登場したものだ。

現在、不動産の小口化商品を販売しているのは主に中小企業の不動産会社であり、価格が上昇傾向にある不動産に投資する一つの手段として注目が集まっている。

インカムゲイン重視の不動産小口化商品?

さて、実際に不動産小口化商品とはどんな金融商品なのか。簡単にいえば「複数の投資家が出資して集まった資金を原資に不動産へ投資し、その運用収益を出資者に配分する」ものだ。運用収益というのは、賃貸収入などのインカムゲイン中心の場合が多い。その詳細について解説してみよう。

まずは「小口化」という点だが、通常不動産投資といえば、一戸建てやマンションでも都心部であれば数千万円、ちょっとした郊外でも1,000万円程度の資金は必要になる。

その点、不動産小口化商品というのは一般的に100万円程度に小口化されて販売される。小口化されることで投資しやすくなる、というメリットはよく注目されるが、同時に複数の不動産に投資することも可能となり、リスクを分散することも可能になる。

ところで、こうした不動産小口化商品の法的根拠となっている「不動産特定共同事業法」について、もう少し解説しよう。同法律では、不動産小口化商品の販売事業を営む事業会社の許可制を義務付けており、一定の条件を満たした事業会社でなければ、同事業を展開できないことになっている。国土交通大臣もしくは都道府県知事による許可制が設けられており、事業者には「資本金1億円以上の宅地建物取引業者であること」「財産的基盤が安定していること」「業務管理者(不動産コンサルティングマスター等)を常置すること」などが求められる。

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