不動産テックが業界を変える!
適正家賃ドットコム田中友也様インタビュー

不動産テック(Real Estate TechまたはReTech)とは、「不動産」と「テクノロジー」を掛け合わせた造語で、ITを活用して、不動産売買や賃貸、投資などに関するテクノロジーを使った新しい仕組みやサービスを指します。
今回は、平米数や築年数等の膨大な不動産データをもとに、賃貸物件の適正な賃料を自動で計算するシステム「適正家賃ドットコム」開発者の田中友也氏に、不動産テックがもたらす未来についてお伺いしました。

適正家賃.com webサイト
当サイトには、賃料の高低を地図上にマッピングした“相場マップ”といったものもある。

適正家賃ドットコムとは?

「適正家賃ドットコム」は、賃貸物件を探している人がそのエリアの適正な家賃を簡単に調べられるシステムです。このシステムは、土地勘の少ない地域でも、例えば電車の路線内で一番賃料が安いエリアを瞬時に見つけることや、地図上ではヒートマップのような形で視覚的に家賃の相場を調べたりすることができます。

賃貸物件を借りるということは、人生において、多い方でも4~5回、少ない方で1回あるかどうかだと思います。そのため、検討中の物件が割安なのか、割高なのかを判断するのは非常に難しいというのが現状です。しかしその際に、おおよその相場を即座に計算してくれるシステムがあれば便利だと思いませんか?物件固有の相場賃料を判断する基準として、有効に使っていただけるサービスだと思います。もちろん入居者様側だけでなく、不動産業者様、大家様などでも、賃料査定に関する様々な業務にご利用いただける非常に便利なサービスだと思っています。

サラリーマン時代に始めた不動産投資がサービス開始の原点

私自身、サラリーマン時代から不動産に投資をしていて、現在ではアパートを2棟所有しています。
不動産投資を始めたきっかけは、大きく2つあります。
1つは、学生時代から「いつか独立したい」という漠然とした思いがあったことです。もともと経済や経営の知識に明るくなかったため、経営の知識が深められると思い、当初は株を始めました。しかし、実際上場企業の株を所有していても影響力はあまりないということに気がつきました。
その時期に、ふと不動産投資の本を読み、非常に感銘を受けました。特に、募集する際の賃料設定や、リフォームの計画・発注、管理会社の選定など、自分で経営ができる点に魅力を感じました。

もうひとつの理由は、プライベートの環境の変化です。当時妻が妊娠中であったため、これから育児をしながら独立することへの判断に悩んでいました。そこで不動産投資に出会い、これならサラリーマンでも始めることができ、資産を増やせるのではないかと感じました。

結果的に、初めて不動産投資の本を読んでから1年も経たないうちに1棟目の物件購入に至りました。

不動産投資をしていく中で、情報の取得スピードは重要であるということを知りました。しかし不動産業界は、情報が非常に重要であるにも関わらず、とてもアナログな業界だと感じていました。
当時、私はIT関係のSIer(System Integrator)として働いていたため、一通りのIT技術が使えます。そこで、不動産とテクノロジーを掛け合わせれば、業界の効率化に一役買えるサービスができるのではないかと思い、賃料の分析ができるサービス「適正家賃ドットコム」を始めました。

自らの技術と投資体験で得た知見を活用したサービス適正家賃ドットコムを主宰する田中友也氏

不動産業者向けサービスAssessRENT(アセスレント)

「適正家賃ドットコム」では、不動産業者様向けのASP(Application Service Provider)サービスとして、「AssessRENT(アセスレント)」という賃貸物件情報分析ツールも展開しています。
「AssessRENT」は、賃貸物件固有の相場賃料を平米数、築年数などの条件のもと自動計算ができるシステムです。
このシステムは、募集中の物件情報など多くの条件と賃料のデータを活用し、統計的な技術を用いて、条件を入力するだけで相場賃料が計算できる仕組みを構築しています。基本的な統計技術としては非常に一般的に使われているものですが、変数のとり方など解析方法の応用に優位性があると考えていますので、他社の同様のサービスに比べ、高い精度で賃料を算出することが可能です。

不動産業界には、デベロッパー、施工、PM(プロパティマネジメント)など、多様な業者様がいらっしゃいますが、「AssessRENT」は特に首都圏全域など広範囲に物件を所有されている管理会社様や投資用物件の仲介会社様などに喜ばれています。なぜなら「AssessRENT」のシステムは土地勘の少ないエリアでも、賃料のある程度の目安を知ることができるからです。また、不動産オーナーと接する管理会社様には、賃料を決める際や募集戦略を立てる際に、データの裏付けとしてオーナー様に説明するためなど、で使っていただいています。

また、このシステムを利用することによって、個人の不動産投資家の方が物件情報を調べる際に、収益の良い物件かどうかの判断のお役に立つと思います。中古物件の場合、現在賃貸中の部屋の賃料が相場よりも安い物件があるケースもあります。そういった狙い目の物件を探したり、募集戦略やリフォーム計画を立てたりする際にもぜひ活用していただきたいです。

上場企業との共同開発も開始 <適正家賃ドットコムの今後の展望>

上記にも述べましたが、「AssessRENT」のサービスは、特に投資用不動産の仲介業者様など興味持っていただけることが多いです。

この業者様向けサービスを始めて3~4年経ちます。今後は、適正家賃ドットコムをもっと一般消費者層に使っていただけるようにPRやサービス改善を行っていきたいと思っています。また同時に、不動産テックを推進している会社様との協業もさらに進めていきたいと考えています。現在、投資用不動産を開発しているある上場企業にAssessRENTのコア技術を提供し、さらなる精度向上のためのカスタム開発をしています。私一人ではできることは限られているので、様々な会社や人と連携し、業界を盛り上げていきたいと思っています。

不動産業界の問題点と不動産テックの可能性

現状、不動産業界の特性としてまだITなどの先進技術を受け入れにくい部分もあるのではないかと思っています。その要因は大きく2つあると考えています。

まず一つ目の要因として、収益不動産の取得理由のうち、多くの割合を占めるのが「相続対策」であることです。このような理由で取得された方々は、投資目的で不動産を取得された方とそもそもの考え方が異なり、不動産収益をしっかり生み出そうという意欲が強くない方も中にはいらっしゃるというのが現状です。管理会社もオーナー様のご意向に沿うことが多く、ITなどの先進技術を取り入れて経営を効率化したり、社会のニーズに応えていこうと考えたりするプレイヤーが少ないのが現状です。

もう一つの要因は、高い仲介手数料です。地元密着型の不動産会社であれば、地元の地主さんとの接点が多ければ、年に数回の取引で発生する仲介手数料だけで事業が行えてしまいます。そのため、現在行っている業務にITを導入しなくても事業の継続が可能であるため、ITの導入の優先順位は低くなっているようです。

しかし一方で、最近では不動産投資を行うサラリーマン投資家が増えてきています。さらに、不動産テックが注目され、積極的に不動産テックに取り組んでいこうとする不動産業者様も増えてきています。また、仲介手数料も安くする業者も少しずつ出てきています。このようなプレイヤーが先導する形で、不動産業界は徐々に変化し始めているのではないかと感じています。

不動産業界は今後、IT技術をどんどん取り入れ、変化していく業界であると思うため、私自身不動産マーケットをよりリサーチして新たな発見をし、新しいものを創出していきたいと思っています。

適正家賃ドットコム田中友也氏

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