【“正しい”投資教育の機会を見つけるために、私たちが知っておくべきこと】iDeCoと積立NISAとは 資産形成層が学べる場所を創りたい RIA JAPAN おカネ学株式会社 代表取締役 安東隆司

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投資助言業 (RIA:Registered Investment Adviser)として活躍する安東隆司 代表取締役。これまで、日本人の投資マインドの盛り上がりが欠ける理由として、日本の金融教育やコミッション(手数料)・ビジネスの問題を指摘してきた。連載最終回となる第三回は、資産形成手段として最近、注目を集めている「iDeCo」や「積立NISA」について解説していただく。

資産形成の方法として近年「iDeCo」が注目されていますが、これはどのような制度なのでしょうか。

安東氏:

iDeCo(イデコ)と聞いてピンと来る方は、非常に情報感度の高い方といえるでしょう。『個人型確定拠出年金』の愛称なのですが、2017年1月の制度改定で利用者が大幅に増えました。是非、皆様には理解して利用していただきたい制度です。

iDeCoのメリットとして大きく3つが挙げられます。その中で最も重要なのは、「所得控除がある」ということです。iDeCoの所得控除とは、毎月の掛金が所得控除となり、税金が軽減されることを指します。

個人事業者の場合でいえば、年間81万6,000円の全額分、自分の所得額と住民税の課税対象となる所得が少なくなることになりますので、最高税率55%の方ならば、44万8,800円の税金支払いを減額することができます。また、年収330万超~695万円の方は税率30%、24万4,800円の税金支払いを減額することができます。

サラリーマンの方は勤務先の年金の状況でいくら掛けられるのかが違うので、まず自分のケースを知ることが重要です。

2つめのメリットは、運用益が非課税という点です。通常の運用では、利益分の20.315%の税金を納めなければなりません。仮に60万円利益が上がったとすれば、12万円強の税金を納めなくてはいけません。

しかし、iDeCoでは運用益は非課税なので、この12万円強の税金を支払う必要がありません。NISA(ニーサ)や2018年1月から始まる積立NISAも運用益が非課税です。

3つめのメリットは、将来、退職金を受け取る際、控除の対象にできるということです。30年勤続した方の退職金は1,500万円まで非課税です。退職金は、必ず保証されているものとは限りません。転職時の状況によれば、退職金が減額する可能性も少なくありません。

iDeCoは、自分で選んだ金融機関、自分で選んだ商品に毎月積立てる「自分年金」であるため、積立てた分と運用成果を60歳以上で受け取ることのできる制度です。公的年金の支給減額リスクにも備えることができます。

一方、iDeCoのデメリットとして挙げられるものが、60歳まで解約ができないことです。しかし、これをデメリットと考える方は多いと思いますが、裏を返せば、メリットとして、「解約ができないので、強制的に資金が貯まっていく」とも考えられます。

iDeCoは、どこで、どのようにして購入できるのでしょうか。

iDeCoでは、加入する金融機関を自分で選び、商品も自分で選ぶことができます。

私が考えるiDeCoの選択基準は、「信託報酬等が0.40%未満の商品ラインナップ」が充実している金融機関と取引し、「信託報酬等0.40%未満の投資信託に投資する」ことです。

実際に「iDeCoを始めたい」「iDeCoの仕組みがわからない」という方は、私たちが出版している書籍(『iDeCoおしえてあげる 1時間でわかる版』)に、実際に比較した金融機関リスト、商品リストを掲載しているので参照していただきたいです。私たちは独立系のRIA (投資助言者)ですので、中立な立場でお客様に役立つ低コスト投信をリストアップしています。

2018年から「積立NISA」が始まるとのことですが、これはどのような制度なのでしょうか。

現状のNISAの制度をおさらいしますと、
1. 運用益が非課税
2. 期間は最長5年間
3. 非課税枠の上限は120万円×5年で600万円
4. 投資対象商品はETF (上場投資信託)やREIT (不動産投資信託)も含んだ上場株式、投資信託などです。

NISAも積立NISAも専用の口座の開設が必要です。

2018年1月から新しい『積立NISA』という制度がスタートします。利用するにあたって、現状のNISAか積立NISAかのどちらかを選ぶ必要があり、同じ年に両方を併用することはできません。

積立NISAの特徴は、
1. 運用益が非課税 (現状のNISAと同様)
2. 期間は最長20年
3. 非課税枠の上限は40万円×20年で800万円
4. 投資対象商品は「要件を満たすもの」
となっています。

実はこの「要件を満たすもの」を巡って、金融業界に激震が走りました。積立NISAの対象要件について、ワーキンググループが選定した結果で、公募株式投信5,406本のうち、積立NISAの基準に合致したのはわずか約50本と全体の1%未満でした。

今回積立NISAの対象商品を選ぶにあたって分配型投信が削除されました。
2015年の分配型投信の運用はマイナス3.4兆円でした。しかし分配金の総額は5.7兆円であり、投資家に配分する収益が無いのにも関わらず、分配金を支払っている状況下でした。不足の分配金の原資は、いわば投資家の運用元本です。預けたお金を分割して受け取っているだけで、更に信託報酬コストを支払っていた、ということになります。結果として分配型は今回対象外となりました。

また日経225のような指標をインデックスと言いますが、インデックス型の積立NISA基準では販売手数料ゼロのノーロード、信託報酬が国内では0.50%、海外では0.75%以下になります。

他にもアクティブ型、ETF(上場投資信託)の積立NISA対象基準があります。

『投資対象商品の「要件を満たすもの」』には、従来よりもコストが安いものなどがラインナップされます。投資家に成功体験をして欲しい、そして、まとまった運用する資金が無い、投資経験の少ない投資家の方々にも、毎月コツコツと積み立てることで、資産形成して欲しいというメッセージが込められていると私は思います。

最後に、資産形成層が大半である『みんなの投資online』読者へのメッセージをお願いします。

セールストークでない正しい情報を、皆様が勉強できる場をどんどん作っていきたいと思っています。特定の金融機関や商品セールス目的でない、中立で公平な情報を活用して頂くことが重要だと思います。

私たちは営利企業でない大学などの公的な教育期間や、中立的なメディアの役割が重要になると思っています。投資や金融に関する知識を今後も皆様へご提供していければと思っています。(提供元:株式会社ZUU)

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