【ロボアドバイザーが拓く、新しい資産運用マーケット】少子高齢化の時代だからこそ、働く世代に向けたサービスを ウェルスナビ株式会社 代表取締役CEO 柴山和久

『ITを駆使した金融サービス全般』を指す言葉として最近よく耳にする「FinTech(フィンテック)」。このFinTechを活用し、最適な資産の運用を自動的に行うロボアドバイザーのサービスを提供する企業が年々増えている。その中でも投資経験を持つユーザーから大きな支持を集め、正式リリースから1年で口座申込34,000件、預かり資産200億を超える実績を出しているのがウェルスナビ株式会社だ。

設立3年目の若い会社ながら、財務省やコンサルティング大手のマッキンゼー・アンド・カンパニーで金融・投資の最前線に関わってきた創業者、柴山和久氏のもと、投資市場における存在感を急速に高めている。なぜ、彼らのサービスは投資経験を持つユーザーを中心に評価を得ているのか。柴山氏にその秘密と想いを聞いた。

世界水準のサービスをすべての人に

柴山氏:

海外の富裕層や、数千億円、数兆円という資産を運用している機関投資家が利用している世界水準の資産運用サービスを、インターネットを通して誰でも簡単に利用できるようにしたい。それがウェルスナビのスタート時の想いです。

その想いに至った理由は2つあり、いわば縦糸と横糸のように関係しています。

まず縦糸は、コンサルティング会社に勤めていたニューヨークでの経験です。

当時、私はウォール街に本拠を置く10兆円規模の機関投資家のサポートなどをしておりました。10兆円の資産をどうしたら効率よく運用できるかという独自のアルゴリズムを考えるわけです。アルゴリズムはいわゆる数式ですから、10兆円でも10億円でも10万円でも500円でも、アルゴリズムを構成する数式自体はまったく同じで、かつ、基本的な仕組みは公開されていて、誰も独占しようとしていない。そうすると、この数式を活用すれば、機関投資家や富裕層だけではなく、一般の方でも使えるようになるのではないか、と感じ始めました。

それを実現するためにはコスト構造を変える必要がありました。もし、スマートフォンやPC、タブレットから証券取引所までシステムを連結して、そこにアルゴリズムを乗せることができれば、コストは従来の何分の1にも何10分の1にも圧縮でき、誰でも利用できるサービスを構築することができるのではないかと考えたわけです。

一方、横糸は非常にプライベートなものです。妻がアメリカ人なのですが、私の両親と義理の両親を比べると、同じような年齢・学歴で、同じように大きな企業に勤めたのに、リタイア後の資産に10倍もの差があってショックを受けました。

それこそがまさに「資産運用の差」だったわけです。誰でも使えるような資産運用サービスが日本にもあれば、私の両親の資産も現在の10倍になっていたかもしれません。

それでも、私の両親の場合はすでに退職をし、退職金も年金も取得しています。しかし、現在の人たちは退職金も減少し、退職金がない企業も増えています。

そうすると、両親よりもむしろ私のような働く世代をサポートするようなサービスでなければならない。こうして縦糸と横糸が結びつき、ウェルスナビを創業した直接のきっかけとなりました。

WealthNavi

「働く世代(30~40代)」に支持される理由は、「圧倒的な自動化のレベルとスピード」

若い世代に有益なサービスを提供したい―。この柴山氏の想いには、行政の中で金融・財政政策に取り組んだ経験も大きく影響しているという。

柴山氏:

財務省にいた時代は、若い人に向けた仕事ができないフラストレーションがありました。

少子高齢化が進むと、政策も社会保障制度を高齢者向けに充実させる方向に傾きます。金融の世界も同じです。1,800兆円あるといわれる個人金融資産のうち3分の2の1,200兆円を60歳以上が保有しているわけですから、高齢者向けのサービスを考えるのは自然です。

だからこそ、高齢者以外をサポートする必要があるだろうと考えていました。しかし、少子高齢化が急速に進む中、行政ではなかなか若い世代向けの政策まで手が回らない。何とかして現役世代を支えたいという想いは非常に強く持っています。

他社のロボアドバイザーとの優位性

ウェルスナビのロボアドバイザー「WealthNavi(ウェルスナビ)」は幅広い年齢層の投資家に利用されているが、とりわけ30代から40代の投資家が全体の3分の2を占めているという。まさに柴山氏の思惑通り「働く世代」に支持されるサービスだといえるが、では、具体的などういった点が働く世代の支持につながっているのだろうか。

柴山氏:

自動化のレベルの高さとスピード感が大きな理由、と考えております。将来に備えた長期的な資産形成を、弊社では徹底的に自動化して行っています。

いくつかの質問に答え、20時までに入金すれば、翌朝の8時にはポートフォリオの状態がスマホで確認できます。

これは、他社のロボアドバイザーと比べて圧倒的な速さです。

また、積立も全国300以上の金融機関から容易にでき、配当も自動的に再投資されます。さらに、年に2度のリバランスもされますし、一度アルゴリズムの設定さえすれば基本的にはすべてロボアドバイザーが投資の運用を行います。資産運用の自動化のレベルはどちらのサービスより高いと思います。

そのことが、忙しく働いている世代<30代から40代>から見ると圧倒的な使いやすさにつながっているのだと思います。

>><2>目指すのは、モノづくりができる金融機関 へ続く(提供元:株式会社ZUU)

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