遊休スペースを時間制の貸し会議室として収益化 株式会社スペイシー 代表取締役 内田圭祐

都心のオフィスビルやマンション、飲食店などの遊休スペースを会議室として貸し出す、シェアリングサービスを提供する株式会社スペイシー。今回は、株式会社スペイシーの代表取締役 内田圭祐氏に、そのサービスのメリットや運営方法、収益などについて話を伺った。


貸し会議室・レンタルスペースの利用者向けウェブサイト「Spacee(スペイシー)」トップページ

スペイシーとは?

当社は貸し会議室・レンタルスペースの予約サイト「Spacee(スペイシー)」を運営しています。簡単にいえば会議室をシェアするサービスで、サービスをご利用いただくユーザーの方々は1室1時間500~1,000円ほどで借りられます。なぜ、この価格を実現できているのか。それは、会社の会議室の空いている時間帯や英会話教室の授業がない時間、そのほかにも、会議室という感じではありませんが居酒屋の個室など、そういった空き時間で発生する遊休スペースを、シェアして活用しているからです。

会社の会議室の空いている時間帯などの、やむを得ず発生してしまう遊休スペースには、価格決定の制約を受けにくいというメリットがあります。不動産を借りて提供するといったビジネスモデルになると、一定以上の価格でないとビジネスとして成り立ちませんが、もともと使ってない遊休スペースを使用するため、低価格で会議室やレンタルスペースを提供できるのです。

事業開始のきっかけは、内田氏ご自身の経験

私どもはこの事業を始める前に手がけていた事業で、様々な理由で数十人いた従業員が4人まで減ったことがありました。すると、事務所のスペースが大きく空いてしまい、この空きスペースをうまく活用できないか、と方法を模索しました。その時、中小企業でも大企業でも、こういったことはかなり起きているんじゃないか、という実感がありました。

結局、その事業は売却することになり、次の事業のために新しいオフィスを借りることになりました。ところが、今度はオフィスが狭くて打ち合わせスペースがなく、仕方なくカフェなどで打ち合わせをしていました。しかし、カフェを使うと1回の打ち合わせで1,000円近くかかるうえに、隣席と近かったり、しっかりとした打ち合わせを行うことができませんでした。

もともと、「1時間500円、1,000円で個室が借りられることができたら、カフェで打ち合わせをしている我々のようなユーザーに利用してもらえる可能性があるのでは」という仮説はありましたが、貸したい側、借りたい側、両方の立場を私自身が実際に体験したことでビジネスとして成り立つという確信を得ました。


自身の経験をもとに会議室のシェアリングサービスをスタートさせた内田圭祐氏

収益性の高さに自信を深める

当初、会議室のシェアリングサービス事業を開始するにあたって、いろいろと検討を重ねたのですが、その時間と費用がもったいないので、「とにかくやってみよう」ということで、まず自分たちのオフィスを平日の19時以降と土日に貸し出すことにしました。すると、簡単な清掃とオフィスを貸すことだけで、当時のオフィス賃料13万円の収益を得ることができました。

正直、この事業を始めるためのテストの気持ちもあり、そこまでの収益があがると思ってもいませんでした。13万円の利益を出すのは大変なことですが、当社が行ったこととしては、簡単な清掃とウェブサイト上で告知するだけでした。そこで、今度は新宿駅から5分ほどのところに会議室を借りて、貸し出しを行ってみましたが、すると2~3カ月目には約20万円の収益をあげることができました。運営コストは、家賃8万円と週1回の掃除の人件費ぐらいですから、「貸し会議室には、まだまだ需要が見込めるのでは」と感じるようになり、本格的に貸し会議室の予約サイトの運営をはじめることにしました。

会議室のシェアリングサービスは、空きテナント対策として短期運営も可能

遊休スペースというと、たとえば所有物件のテナントが空いてしまって次のテナント契約がなかなか決まらない…といった悩みを持つオーナーさんは少なくないと思います。

そんな場合でも、明日からすぐに収益を挙げられるのが貸し会議室です。当社のサイトに会議室として貸したい物件の情報を登録していただければ、すぐに運営がはじめられます。短期での運営を希望される方には、当社が所有している机や椅子をレンタルすることもできます。初期費用を抑えながら、”空室”を”収益が上がるスペース”へと変化させてしまいます。

所有されている物件が数カ月間は空室になりそうな見込みであれば、一度、貸し会議室として当社のサイトに物件の情報を登録し、運用して、テナント契約を結んだら貸会議室としての運用を打ち切るといった柔軟な運営ができるのもメリットです。立地によっては、テナントとして貸すよりも貸し会議室の利益の方が上回ったというケースもあり、そのまま貸し会議室での運用を続けられるオーナーさんもいらっしゃいます。

たとえば、都心の駅前や会議室が足りないエリアのビルのオーナーさんには、「1フロアは貸し会議室として運用してみてはいかがですか」といったご提案をさせていただきたいと考えています。

そのほか、ライフスタイルの変化で不要になった自己所有のワンルームマンションで運営されている方などもいらっしゃいます。実例を当社のウェブサイトで紹介していますので、ぜひご覧になってみてください。

https://provider.spacee.jp/

運営は手間いらず

当社が管理する貸会議室をご利用になるお客さまは、事前にサイト上で所在地やアクセス方法、室内の写真、備品などの情報をご確認いただけますし、空室状況から予約、支払いまでが行えます。そもそも打ち合わせ用の小さな会議室ですので、机と椅子、ホワイトボードがあれば会議室として成立するので、お問い合わせをいただくことも滅多にありません。

鍵は不動産の業者様が使用されるロック付きのキーケースに入れておくほか、タッチパネル式のキーを設置するパターンがほとんどですので、お客さまの入退室に立ち会う必要がありません。

また、当社は損害保険契約を結んでいますので、ご利用いただくお客さまのケガ(故意は除く)や破損に対する補償もあります。現在、月に約17,000件の会議室の利用で予約をいただいていますが、基本的にトラブルは少ないです。

管理業務も基本的に当社が請け負わせていただきますので、予約から集金まで手間がかかりません。そのかわり収益の25%を手数料として頂戴していますが、それでも、8~10名程度の小規模会議室で月平均15~20万円、立地によっては25万円以上の収益も十分可能です。

店舗の遊休スペースを活用するスペイシーの新たなチャレンジ

夜型の飲食店を経営されている方には、日中お店を閉めている時間の店舗を活用する方法を提案させていただいています。個室を貸し会議室として貸し出すほか、座席やテーブル席をコワーキングスペースとして個人に貸し出すサービスもスタートさせました。

現在、新宿、渋谷、の5店舗でコワーキングスペースの貸し出しを行っています。今までは「ちょっと仕事をしたい」といった場合、カフェなどを利用するしかありませんでした。これは、コーヒーが飲みたいわけではなく電源とWi-Fiを使用することが目的だと思います。そこで、こうした需要に応えるサービスとしてスタートさせました。


店舗の遊休時間をコワーキングスペースとして貸し出し

座席やテーブル席をコワーキングスペースとして貸し出しサービスを行うにあたって、テスト段階で1時間50円という低料金にしたこともあり、徐々にユーザーが増えてきています。ここまでの低料金にしたのは、新しいチャレンジですから、まずはこういった市場を作らないと始まらないという考えからです。貸し会議室というミーティングをする場所を安く提供しているので、そのひとつ前の段階で個人が仕事をできる場所を提供するという目的もあります。

都心の駅前には夜型の飲食店が必ずあると思いますので、その日中の空きスペースを貸すことで貸す側に「ちょっとは利益が出るかもしれない」という需要をこのサービスに流し込むことができれば、貸す側も借りる側もハッピーになれるのではないかと考えています。

将来は、地方展開も視野に

現状、毎月利用率がおよそ8%前後で伸びている状況です。緩やかな伸びではありますが、確実に市場が拡大している手応えがあります。まずは供給を増やして核となるユーザーを獲得することに専念していますが、今後、供給が増えてきたときに競合が起こり、価格競争や稼働率低下のリスクが出てくる可能性があります。

私どもは、この事業を通じて、ビジネスインフラの整備を目指しています。そのため、現在は東京で物件の密度を高くして行くことに注力しています。東京圏以外は手薄なのが現状ですが、このサービスはビジネス人口に比例して需要があると考えています。若い世代の転入超過が続く大阪市や、各地方の中核都市への展開も視野に入れながら、まずは貸し会議室というサービスの基盤を整備し、実績を築いている最中です。


株式会社スペイシー 代表取締役 内田圭祐

お問い合わせ先

株式会社スペイシー
http://www.spacee.co.jp/
お問い合わせは、ページ下部のフォームで。

http://www.spacee.co.jp/about/

投資家の皆様、物件オーナー様及び企業経営者様・総務担当者様向けに、セミナーも開催しています。
http://www.spacee.co.jp/seminar

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