広がり続けるソーシャルレンディング 個人融資の時代

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(写真=Phongphan/Shutterstock.com)

インターネットの発達によって、人々は多くの情報を簡単に集めることができるようになった。そして、それは投資案件にも当てはめて考えることができる。近年広がっているのが、インターネット上で「お金を借りたい人」と「投資をしたい人」をマッチングさせる「ソーシャルレンディング」である。

ソーシャルレンディングとは

ソーシャルレンディングはクラウドファンディングの一つといえる。

クラウドファンディングは、群衆を意味するクラウド(crowd)と、資金調達を意味するファンディング(funding)をつなげて作った言葉だ。インターネットを通じて資金を調達できる方法で、広く多くの人に見てもらえることが特徴である。

このクラウドファンディングは4つに分類することができ、「購入型」「寄付型」「投資型」「貸付型(融資型)」がある。日本では一般的に、「貸付型(融資型)」のことをソーシャルレンディングともよぶ。

貸付型(融資型)では、資金を必要とする借り手が資金の使い道や金額、金利や返済期間などの条件をサイト上で提示する。貸し手は、提示された条件から収益性や安全性を考慮し融資する。目標金額に到達した場合にのみ支払われるタイプや集まった融資金額が支払われるタイプがある。サイト運営側は集まった資金のある一定額を手数料として受け取る仕組みだ。

つまりソーシャルレンディングとは、融資の仲介サービスである。事業のアイデアはあるのに、資金が足りない、金融機関から資金を調達できない人と、余剰資金はあるがこれといった魅力的な投資先がない人の、借り手と貸し手、双方のニーズをつなげるサービスとなる。

なぜ広がっているか

金融機関などによる融資は収益性や確実性に重きを置くケースが多く、類似業種のない新規事業の場合は事業の将来性・確実性に不透明感が高く、金融機関としても積極的に融資することが出来ないケースがある。また、収益事業のみの話ではなく、社会貢献度合いの高い事業はそもそも金融機関では対応しにくく、今まで、なにか事業を行いたいと考えたときに常に資金調達という壁が立ちはだかっていたのである。

しかし、IT技術の発展を背景に、不特定多数の人たちから少額の資金を集めるシステムを構築できるようになり、資金調達コストを大幅に削減できるようになった。

また、クラウドファンディングには資金調達以外の魅力もある。借り手にとって、新規プロジェクトに対する反応や情報収集、宣伝効果が期待できるのだ。

ソーシャルレンディングの今後

余剰資金を運用したい投資家は常に魅力的な投資先を探している。借り手に何度も直接融資をしたい場合、投資家も貸金業として登録する必要がある。そのため日本のソーシャルレンディングは投資先が明確になっていないサービスが中心で、自分で投資先を選ぶことができない。企業やプロジェクトが選択できないと投資する目的が希薄になり、どうしても収益性や安全性にのみ注目してしまうという課題も残る。

少しずつソーシャルレンディングの市場規模は拡大しているが、今後、法が整備され、投資家自ら投資先を選べるようになれば、さらに拡大していく可能性がある。

個人融資の時代へ

金融機関などから融資を受ける借り手はどうしても受け身にならざるをえず、高い金利に納得できなくとも目の前の資金不足から利用するしか手段がなかった。しかし、個人間の資金の貸し借りであり、P2Pレンディングともよばれるソーシャルレンディングが一般的になり、個人が個人に融資するようになれば、融資事情が大きく変わるだろう。

法が整備されていない新規事業の初期段階ではトラブルや詐欺などの違法行為が見られることがあるが、今後、これらの違法行為への対策を加え、法整備が進めば、金融機関からの融資に匹敵するクラウドファンディング業界が確立されるかもしれない。(提供元:株式会社ZUU)

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