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第9話 日本の借金②

(写真= spatuletail/shutterstock)

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  1. 1.日本の真実とは?
  2. 2.日本が国債を比較的低金利で調達できる理由って?​​​​​​​

「国債について自ら勉強します!」と「助けは要りません」と言わんばかり大見得を切ったものの、結局オオタ部長とニシカワ先輩にすべて教えてもらうことに。名誉挽回のため、「巨額の負債を抱える日本の国債が低金利なのか。」については、なんとか自分で調べて理解してなんなら教えてあげたい。

前回:「国債の仕組み」を知ったことで、“日本経済”の新たな疑問に直面した。
投資はじめました第8話はこちら

というわけで、とにかく情報収集をはじめる。

日本の真実とは?

さまざまなニュースや記事などを読むこと3時間。ひとつわかったことは、日本の借金に関しては「破産寸前説からまったく問題ない説まで諸説ある」ということ。

主だった説をまとめると…

  • 日本は、財務省の発表によると1,071兆円も国債及び借入金残高(2017年3月時点)がある上に、少子高齢化が進み、人口も減っていく日本の財政収支は悪化の一方。いつか財政破綻を起こす。
  • 現在、日本の国債は信用があるので買われるが、この信用が揺らいだ時点で買い手はいなくなり暴落する。国債(借換債)ができなくなれば財政破綻は起きる。
  • 国債及び借入金残高が1,071兆円(2017年3月時点)あっても、日本政府の持つ資産は約672兆円(2016年度末時点)あり、その差額399兆円が実質の借金。他の先進国と変わらないので大きな不安はない。
  • 日本の国債は金利が低いのに買われる。これは日本の財政が信用されている証拠。円は安全資産と言われているように、日本経済の信用度は高い。
    などなど。

正直、破綻する派、しない派、どちらの主張も納得できる部分があるが、しばらく前から破綻する破綻すると言われていても現時点ではそうなっていない。
これはどういうことなんだろう。

「おーい、いつまで黙ってパソコンとにらめっこしてんねん自分。
国債のことなにかわかったんか?」と、なぜかキレ気味のニシカワ先輩。

「あっ、はい!財務省によると、国債は国が発行し、利子及び元本の支払(償還)を行う債券とのことです。」
「あんなぁ…、いきなり国債の定義じゃなんもわからんわ。なんで日本の国債は低金利で調達できるんかわかったんか。」
「はい。低金利の理由は、日本が低金利でも国債を調達することが可能だからです。」
「ほんま、何度も言うけど結論だけじゃわからんわ。なんで日本国債は他の国と比べると低金利で調達することが出来るのか調べたのか。」
「あっ、すみません。あの、低金利で調達できる要因は色々あると思いますが、日本という国自体に比較的低金利で国債を調達できる理由があると思います。」

日本が国債を比較的低金利で調達できる理由って?​​​​​​​

(写真=spatuletail / Shutterstock)

ニシカワ先輩の言うとおり、ここは順を追って説明できないとダメだ…。
「えー、まず財務省の発表によると日本は1,071兆円も国債及び借入金残高がありますが、
日本政府の持つ資産は約672兆円あります。つまり、見かけ上の借金はすごく多いのですが、資産もある状態だと思いました」

「そうだな。日本という国の運営資金の一部を国債及び借入金で調達しているということになる。資産を売って資金を作ることもできるが、あえてそうしているわけだ。これは、一般企業でもよくやっている。運営資金を得るために自社ビルを売却するようなことはしないだろ? 一般的に多いのは自社ビルを担保に資金を借りるんだ」とオオタ部長。

「はい。自分もそう思います。日本の国債は財務省発行の国債金利情報をみると、下の図のとおり低金利で推移しています。国債は、国に対する債券(金融商品)ですので、一般的に元本毀損リスクが高いと考えられるものは、利回りが高くなる傾向にあり、元本毀損リスクが低いと考えられるものは、利回りが低くなる傾向にあるといえます。そういった前提で考えると、投資家の方から日本の国債は元本毀損リスクが他の金融商品と比べると低いと思われているのではないでしょうか。」

出典:国債金利情報(財務省)
http://www.mof.go.jp/jgbs/reference/interest_rate/
を加工してみんなの投資online作成

「へぇ。だいぶわかってきたやんか? 」
「えー、続けていいですか? いずれ日本が財政破綻すると考える人の方が多数派になったら、国債の利回りが向上してしまう可能性もあるとも思うんです。というのは、2010年頃に発生したギリシャの経済危機を例に出すと、ギリシャの巨額の財政赤字が明らかになってから、下図のとおりギリシャの国債利回りが急騰しています。つまり、世界中の投資家の人が大丈夫かなと“不安”になると、それが国債の利回りに少なからず影響してくると思うんです。」

出典:世界経済の動向(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2012/2012honbun/html/i1230000.html
を加工してみんなの投資online作成

「なんやー自分、いっきに進歩したやんか!見直したわ!」とニシカワ先輩。
なんか、褒められた。

「でもな、自分、日本政府の持つ資産672兆円の内訳は調べてみたか?すぐに現金化できる資産はどれぐらいあった? 国債の購入先の上位と割合は調べたかぁ?」

「そこまでは調べきれていないです。。」

「そういうところがツメがあまいっていうんや。ほんで、もう一つ大切な観点があるで、それは歴史を考えることや。世界の歴史で考えると、デフォルト状態になることは決して珍しいことではなく、その度に多くの犠牲(債務の支払の停止や預金封鎖、ハイパーインフレ、景気後退等)が生まれているんや。そう考えると、債務超過の状態はとても怖いことやぞ。」

「まぁ、ニシカワ君のいうとおりだな。ちなみに、種類は少し違うが日本の歴史上でも「徳政令」という債務免除や減免を命じた法令等が制定されているぞ。 しかし、そういった事を押さえ忘れたとしても、今回は主体的に頑張って勉強したようだな、私も見直したぞ。」

オオタ部長からもお褒めの言葉が・・・♥
・・・。
・・・。
ちと待てよ。
 “見直した”ってことは駄目だと思われてたってことなのか・・・(着任して間もないのにね)

・・・ぐすん。
信用バロメーターをあげて行こう↓・・・

ニシカワ先輩が顔を覗き込んで来た。
「どした?せっかく褒めてもらったのに、泣いてんのか?」
「なんかわからへんけど、元気だしや」。
「飴ちゃんでもたべーや?」

関西のおばちゃんですか?

でも何で関西のおばちゃんは飴をあげるのだろう。
よく思われたい、仲良くなりたい?

あ!なるほど。
そうやって考えること、
起きている事に疑問をもって、調べること、まさに今やっている事か!
(だいぶレベル感違うけどね)

何にでも原因があるんだ。

じゃ、何で彼女は1週間連絡くれないのか考えてみよう・・・。

・・・。
・・・。
・・・。
・・・。
・・・ぐすん。
悪いことしか思いつかないよ~

「飴ちゃんどやぁ?」


次回へ続く。

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※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
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