
第8話 日本の借金①
(Photo= Sakarin Sawasdinaka/shutterstock)
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- 1. 国債ってそもそもなんだ?
- 2.膨らむ日本の借金
国債ってそもそもなんだ?
「次“国債”行きます」と言い放って、さっそく調べ始める。
日本経済の話になると、必ず出てくるワードだが、実はそれがなんなのか“まったく”わかってなかったりして…。
前回:「円高・円安」について知ったことで、“国際派”になってきた?
投資はじめました第7話はこちら
というわけで、まずは検索!
こく‐さい【国債】
国が発行する債券。法律に基づいて発行され、普通国債と財政投融資特別会計国債(財投債)に大別される。発行目的別では歳入債・繰延債・融通債に、償還期限によって短期国債・中期国債・長期国債・超長期国債に、利払い方法によって利付国債・割引国債に分類される。短期国債は割引国債、それ以外は利付国債として発行されている。発行方式では、入札によって機関投資家などに販売される市中発行方式、個人を主な対象とする発行方式(個人向け国債と新窓販国債)、公的部門発行(日本銀行が借換債を引き受ける日銀乗換など)に大別される。
こ、これは…
ひとつも理解できない。
ニシカワ先輩助けて…
「ん? 国債? どないした? 自分、先週はエライ張り切ってたやんか」としたり顔。
「いや、その…調べてはみたんですけど、まったく意味がわからなくて…」
「しゃーないやっちゃなー。ものすご~く簡単に言うと、国が借金したいときに、元本を返す期限を決めて、その間は利子も払いまっせと約束して有価証券を売るんや。日本国の債務・債券だから国債や」
「えーっと、つまり…。金利も払って元本も返すってことは、金利分だけ国は損するわけですよね? なんでそんなの発行するんですか? これって借金ですよね? な、なんで国が借金してるんですかっ!!!?」
「落ち着けw 何をいきなり興奮してるんや」
膨らむ日本の借金
(Photo=RRice/shutterstock)
じつは社会人になりたての頃、思わぬ出費が続いて、家賃が払えず、親に泣きついたことはある。でも、そのときの後ろめたさと、少しずつ返していくのがすごく大変だったので「二度と借りまい!」と心に誓った。
そんな経験があるから、日本が借金していることがどうにも理解できない。
「予算が足りないからって借金したら、金利も払わないといけないし、返すとき苦しいですよね?」
オオタ部長が神妙な面持ちでこたえる。
「まあ、そうとも言えるな。発行した国債を返すために、さらに国債を発行してきたので毎年残高が増えているのが実情だ。平成28年12月末の普通国債発行残高は約826.4兆円。これがすべて国の借金というわけだ。平成28年度の税収予算額は約58兆円で、国の税収の15年分を越える金額を借りてることになる」
「国民は、人口推計によると平成28年11月1日時点での、人口は1億2,693万人だから、1人あたりにすると、だいたい650万円やな。こりゃドえらい借金やで」と、計算機片手にササッと計算する先輩。
さすが大阪商人(そうではないですけど)。
なるほど、「巨額の借金」といったニュースをなんとなく見ていたが、国債という名の借金が原因だということね。
そんなに借金があったら、もう日本の経済はきっと立ち直れない…。
年金もなくなるって言われているし…。
オレの将来はどうなるんだろう…。
なんだか暗い気持ちになってきた…。
「そんなに暗い顔をするな。
金額だけ見ると巨額の借金に思えるが、
じつはそうでもないんだ」とオオタ部長。
「よ~く考えてみるんや。借金だらけで破産寸前の国債を買う人はそうそうおらん。
つまりはそういうこっちゃ」
はっ!
たしかにそうだ。
彼女が結婚してくれるんだったら家を買おうと思って、いろいろ調べたら、
通常は3000万円とかなんてキャッシュがないから
住宅ローン組むものだって書いてあった。
それには信用が必要だとも。
そうだ信用だ。
もとい。なんでこんなに借金がある国債を買う人がいるんだろう。
これは調べてみる価値はありそうだ。
「数字だけでは見えない理由があるということですね? さっそく調べてみます!」
「負債は借金だが、投資原資になる。利益を上げるために負債をする。
矛盾するようだがな。資金調達という言葉も聞いた事があるだろ?」と部長。
ブラインドを指で押し下げながら道路の車を見ている(刑事ドラマですか)
なるほど!
オレの場合に置き換えると、
ローンが組めて、家が買えれば、彼女が結婚してくれる!(順番おかしいよ)
エヘヘw
・・・。
気持ち悪がるオオタ部長とニシカワ先輩・・・。
結局、今回は部長と先輩に全部教えてもらってしまった。
次回は自分で全部調べて全部しゃべって
部長と先輩の登場をなくしてやる!(困ります)
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※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
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フィクションとしてお楽しみいただきつつ、