
第114話 積み立てから始めなさい
(写真= shisu_ka/Shutterstock.com)
前回:節約して支出を減らすことの重要性をあらためて認識し、その方法についていろいろと学んだ。
■節約した分は「積み立て」で資産運用
節約の重要性を再認識したのが1週間前。電気やガス、スマホの契約変更は検討中だが、飲食費の節約はすぐに始めた。その結果、1週間で前の週に比べて約2000円の節約になっている。
1ヵ月続けたら1万円近く節約できそうだけど、貯金するだけじゃもったいないよな――そんなことを考えながらお弁当を食べていると、フクダ課長が話しかけてきた。
「おっ! さっそくお弁当にしたんだね」
「はい。昨晩の残り物を詰めただけですけどね(笑)。多少の節約にはなっています。でも、こうして節約したお金をただ貯金しておくのはもったいない気がして……。どうしたらいいんでしょうか?」
「少しずつでも積み立てていくのがいいんじゃないかな? お金が貯まるのを待たずにすぐ資産運用を始められるし、手軽でリスクも低いから最初の一歩としていいと思うよ」
「積み立てですね!! 研究してみます」
■数千円から始められる積立投資
(写真= WildSnap /Shutterstock.com)
帰宅後、さっそく積立投資について調べてみる。
一口に積立投資といっても株式・ETF・投資信託・金・プラチナなどいろいろ種類があるが、そのなかで気になったのは以下の4つだ。
l ポイント投資
買い物の際にクレジットカードやポイントカードでもらえるポイントを使って、株式や投資信託に投資できるサービス。節約術で貯めたポイントをそのまま投資に使えるのは大きなメリットだと感じた。また、現金を投資するわけではないので心理的なハードルが低く、手軽に始められるのも大きな魅力だ。反面、ポイント投資を扱っている金融機関が数社しかなく、対応しているポイントも限られるため、選択肢が少ないのがデメリットだと思う。
l 積立投信
取り扱っている金融機関が一番多く、情報量も一番多かった。毎月一定額を自動で積み立てていくことになるので、一度決断してしまえば自動で資産運用ができるというのが、優柔不断な自分には向いているように思う。また、NISAを利用しての積み立てもできるので、税制面でのメリットも大きな魅力だ。一方で販売手数料や運用手数料、解約手数料が必要になる、というデメリットもある。
l 外貨預金
外国の通貨で預金する外貨貯金に毎月一定額を積み立てていくもの。普通口座から自動で外貨定期預金に積み立てられるサービスがあるので、積立投信と同じで最初の決断さえしてしまえば、いろいろと考えるストレスが少ないと感じた。外貨預金は金利が日本より高く、また日本円以外の資産を持つことで、円安リスクに対応できる点もメリット。しかし、円高になれば元本割れのリスクがあり、手数料にあたる為替コストもかかる。
l 不動産小口化商品
複数の投資家が出資した資金を不動産へ投資し、その運用収益を出資者に配分するというもので、1万円から投資できるものもある。一人では絶対に手が出せない都心の好立地の物件に投資できたり、複数の不動産に分散投資できたり、いろいろメリットがあると感じていて、これまでも何度も調べてきたものだ。ただし、小口化される物件が限られており、常に投資したい物件があるとは限らないため、タイミングが重要だ。
こうして調べてみると、1万円以下でも始められる投資も多く、自分自身が決断しさえすれば今日からでもスタートできることがわかった。節約生活も順調に進んでいることだし、まずは少額から資産運用に挑戦してみよう!