
第112話 “時は金なり”投資は早く始めよう!
(写真= Atstock Productions/Shutterstock.com)
前回:フクダ課長に投資は目標金額と期限を決めることが大切だとアドバイスされ、自分が漠然とした目標しかもっていなかったことに気がついた。
■ライフイベントを考えて投資の目標を決める!
フクダ課長に投資の目的がはっきりしていないことや時間を無駄にしていることを指摘され、投資について真剣にいろいろ考えている(今さらですか?)。
そもそも投資をしようと思ったのは、異動先の部署が投資情報を扱っていたことで、将来に備えようと考えたのが始まりだった。
改めて投資の目標について考えてみるが、やっぱり老後資金のことくらいしか浮かばない……よし! こういうときはニシカワ先輩にアドバイスを求めてみよう。
ということで、夜10時過ぎだけど先輩に電話してみる。
「なんやこんな時間に? どないしたんや?」
「ちょっと相談がありまして…」
「あー、金ならないし、彼女が欲しいっていう相談にも乗られへんぞw」
「いや、そういうことじゃありません(笑)。じつは投資を始めること自体が目標になっていて、何のために投資するのかという目標を見失ってしまって…」
「なんや真面目な話かいな。ええか? 投資の目標って案外単純なもんやで。まずは長期目標として定年までに達成したい資産額を決めるやんか? そしたら定年までの期間から毎年の目標額も決まるやろ? それに結婚やマイホーム購入、子育てなんかのライフイベントにかかる出費を考えて短期、中期の目標額を決めればええんやで。なんも難しいことあらへんわ」
「漠然と老後資金が必要かなぁ、としか考えていませんでした。結婚も無理そうだし……」
「辛気臭いやっちゃなw そんなん、いつ相手が見つかるかわからんで? そういうときのためにしっかり投資で資産増やしとき! ほな、眠いから切るで~」
先輩は相変わらず口は悪いがアドバイスは的確だ。さっそく、これからのライフイベントと出費について考えてみよう!
■時間を味方につけられるのは若さの特権!
(写真= create jobs 51/Shutterstock.com)
自分はまだ20代で独身なので、これから大きなライフイベントがいろいろ考えられる。
ざっと箇条書きにしてみると……、
・結婚(30代前半)
・出産(~30代後半)
・教育資金(30代後半~50代後半)
・マイホーム購入(30代後半)
・医療費(50代以降)
・子どもや孫への資金援助(60代~)
・老後資金(65歳以降)
確実なのは医療費と老後資金だけだけど、まぁこんな感じになるだろう。
こうして書き出してみると、人生の節目節目でそれなりの金額が必要になってくることがはっきりと見えてくる。今は気楽な独身生活で家計にも余裕があるが、今からしっかりと計画的に資産を増やしていかなければ、そのときになって慌てることになりそうだ。
このうち、結婚や出産、教育資金、マイホーム資金はそれぞれのライフスタイルや住んでいるエリアで大きく必要額が変わってくる部分でもある。
一方、老後資金は誰もが確実に必要になるものだ。ということは、フクダ課長が言うように“時は金なり”で、今から毎月の収支を見直してムダをなくし、余剰資金を作って投資で増やす、というサイクルを始めなければならない。
自分が今20代後半なので定年まで約40年。資産作りのために残された時間はまだ十分にある。まずはローリスク・ローリターンの投資から、それもできるだけ早くに始めたほうがよさそうだ。考えてばかりいないで、今度こそ実行に移さなくっちゃ!