
第111話 投資は目標が大事!
(写真= Olivier Le Moal/Shutterstock.com)
前回:消費税増税をきっかけに家計や資産のことを考え、現在の低金利では資産を増やすには投資しかないと改めて認識した。
■なんのために投資をするのか?
フクダ課長と外回りを終えたあと、直帰だったので、そのまま軽く一杯飲みに行くことになった。仕事の話やノーサイドな話などの雑談をしていたが、フクダ課長が投資の話を切り出してきた。
「ところでさ、なんのために投資をしたいんだい?」
「やっぱり将来への備えとしてお金を増やしたいなと思ってるんです」
「それはわかるんだけど、もっと具体的な目標があったほうがいいと思うんだ。ボクはさ、リタイア後に趣味の釣りを思う存分楽しめるくらいの余裕が欲しいのと、できれば子どもたちや孫にも少しは資産を残したいという目標があるんだ」
「へ~、それはステキな目標ですね! 目標かぁ……なんとなくお金がないより、ある方がいいなと思っていたくらいで。しいて言えば老後資金ですかね」
すごく漠然と老後資金とか住宅購入資金みたいなことをイメージしていたけど、たしかに自分がお金を増やす目標ってなんなんだろう?
「目標はさ、遊ぶお金が欲しいとか、クルマを買いたいとかでもいいんだよ。目標が定まってないと、具体的にどんな投資をしたらいいかも決まらないと思うんだよねぇ」
「そうですね……おっしゃるとおりです」
「若いから資金はそんなにないだろうけど時間はたっぷりあるじゃない? だったらそれを有効に使わないと。目標を決めて貯蓄よりもリターンが多い投資をまずは始めてみたらどうだい? そうすることで経済のこと、金融のこと、投資のことを実体験として学べると思うし、そこからステップアップできると思うんだよね」
具体的な目標がないから先伸ばしになっているという課長の指摘は耳に痛かった。なんとなくお金を増やしたいとしか思ってなかったなぁ……。
■目標額と期限の設定がポイント!
(写真= Zephyr_p/Shutterstock.com)
少し酔いが回っているのか、フクダ課長はいつになく饒舌だ。
「それでさ、重要なのは目標金額と期限を決めることなんだ。たとえば元手の100万円を200万円にしたい場合、1年で達成したいのか10年かけて達成したいのかで選ぶべき投資の種類はまったく違うんだ」
「1年で2倍は現実的ではないように思いますけど、10年で2倍もなかなか大変じゃないですか?」
「1年で、というのはたしかにギャンブルだね(笑)。株価が急騰して2倍、3倍にということもまれにあるけど、なかなか狙ってできるものではないし。サラリーマンはデイトレーダーと違って日中に売買するのも難しいしね。でも10年で2倍なら可能だし、決して非現実的ではないよ。年利7%の複利運用なら約10年で2倍になるからね」
「それなら、定期預金より少し利回りのいい投資商品とかでもいけそうですね」
「そうなんだよ。でも10年って時間は決して短いものではないでしょ? だから若いうちに始めた方がいいと思うんだよねぇ」
「本当にそうですね……自分はすでに1年以上無駄にしています。もし始めてればいくらかは増えているはずですね……」
「だからさ、時間を味方にできる若いうちにまずは守りの投資を早く始めたほうがいいよ! もう知っていると思うけど、不動産小口化商品とか財形貯蓄とか個人年金とか積立投資とか、比較的ローリスク・ローリターンで長期的に安定しているものがあるでしょ? そういうのから始めてみたらどうだい?」
「そうですね。時は金なりっていいますし、本当に始めようと思います。アドバイスありがとうございます!」
普段のフクダ課長はそんなに押しの強いタイプじゃないのに、今日は酔いもあってかグイグイ来る感じだった。きっといつまでも煮え切らない自分にアドバイスするために、お酒の席に誘ってくれたのだろう。
いつも気にかけてくれるフクダ課長のアドバイスを無駄にしないよう、絶対に年内に投資を始めるぞー!!(今度こそ本当に?)
……あ、でも目標とか期限ってどうやって決めればいいんだ?(そこは自分の人生設計ですよ!)