
第101話 不動産小口化商品にはどうやって投資するの?
(写真= r.classen/Shutterstock.com)
前回:不動産小口化商品に関わってくる匿名組合と任意組合のことを教えてもらい、さらに知識が深まった。
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■契約の流れは至ってシンプル
不動産小口化商品に興味を持ち、いろいろ調べたり教えてもらったりしたことで、理解が深まると同時に、“ごく普通の会社員である自分にもできる”不動産投資として、さらに興味が湧いた。
そこで、実際に始める方法について調べてみると、不動産特定共同事業法でルールが決まっていることもあって、始めるまでの流れはどんな商品でもほぼ一緒ということがわかった。
投資するまでの流れをまとめると……
1. 不動産特定共同事業者のWEBサイトなどで不動産小口化商品の情報を収集
2. 資料請求やセミナーに参加して詳細な情報を入手
3. 申込期間中に『申込書』を不動産特定共同事業者に提出
4. 商品内容やリスクなどが記載された書面の交付と説明を受けたうえで契約を締結
5. 出資金の振り込み
6. 契約が成立し投資開始
となる。シンプルというかオーソドックスというか、至極当たり前の流れだ。
まず、情報収集だが、検索サイトや投資情報サイトで不動産小口化商品を検索して、不動産特定共同事業者のWEBサイトを見て回り、自分でチェックしていくしかない。他人のおすすめではなく、自分で調べて投資先を選ぶというのは、投資の鉄則だ!(と、いろいろな人に教わったもんね!)
資料請求もセミナーへの参加申し込みも、不動産小口化商品のサイトで住所氏名などを入力するだけと簡単だった。
まずは資料を集めて絞り込み、これだと思った商品があれば、いずれセミナーに行ってみようと思う。東京近郊に住んでいるなら勉強を兼ねて、いろいろなセミナーに参加してみるのもいいと思った。
さて、ここまでが投資する商品を選ぶために、自分がやるべきことだ。この先は、申し込みと契約の手続きになる。
■対面契約が基本!
(写真=takasu/Shutterstock.com)
商品内容や特徴、リスクなどを把握したうえで、「これだ!」というものを見つけたら、申込期間中に『申込書』を提出する。その後、重要事項や売買契約の説明を対面で受けたうえで契約を交わすことになるが、法改正で電子契約も許可されたため、一部の不動産小口化商品ではオンライン上で電子契約ができるようになっている。
指定の期日までに入金すれば契約が成立し、小口化商品への投資開始。晴れて不動産投資家となれる(大袈裟)。
それにしても、契約のために東京へ行くのって時間とお金を考えると効率が悪い。どうして電子契約じゃないところが多いんだろうか?
……よし、今日はヒマそうにしているフクダ課長に聞いてみよう。
「フクダ課長、すみません。不動産小口化商品って対面契約と電子契約があるんですけど、どっちがいいとかありますか?」
「うーん……なかなか難しい質問だねぇ。一般論になるけど、対面契約はわからないことなんかを確認しながら契約を結ぶことができるけど、契約のために時間とお金がかかってしまうよね。電子契約は時間とお金はかからないけど、疑問点、不明点があった場合、確認するのに時間がかかるといったところかなぁ……。あと、これはボクの推測だけど、不動産投資って大きな金額になるから、電子契約は不安だと思う人も少なくないじゃないかな? やっぱり、紙の契約書が安心って人も多いと思うんだ」
「金銭的、時間的コストを取るか、安心感を取るかってことですね。自分は初心者だし、いろいろわからないことも多いから、やっぱり対面契約の方が安心な気がします」
「安心って意味だと、個別の商品の検討も大事だけど、しっかりした不動産特定共同事業者を選ぶことも重要だと思うよ。これまでの実績や財務状況なんかも確認しないとね!」
「そうですね。アドバイスありがとうございます」
確かに、商品選択も大事だけど、運営する不動産特定共同事業者の選択も大事だと思った。ほかにも利回りや期間など選ぶポイントがいろいろあるはず! うーん、誰か詳しい人が教えてくれないかなぁ……(相変わらずの他力本願)。