
第99話 不動産小口化商品のメリット・デメリット
(写真= takasu/Shutterstock.com)
前回:不動産小口化商品について学び直し、少額で不動産投資の経験を積むことができる投資として、今の自分に一番合っているように思った。
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■分散投資でリスクを分散!
不動産小口化商品の存在は以前から知っていたが、今回新たに調べ直したことでその魅力に今さらながら気がついた。というか、投資のことを学び始めた直後に教えてもらったために、投資商品としての特徴やメリット・デメリットをしっかり理解できていなかったといったほうがいいだろう。
当時に比べて投資の知識は確実に増えているので、不動産小口化商品について、もう一度しっかり勉強し直してみよう。
まず、メリットの部分を調べてみると……
l 少額で不動産投資ができる
l 分散投資がしやすくリスクを分散できる
l 初期投資を抑えられる
l 実物不動産に比べて維持、管理、運営の手間がかからない
といったことがメリットであることがわかった。
少額で投資できるというのは、多くの人から資金を集めて不動産を購入するという仕組みなので、人気エリアの数億円するような高額不動産でも数十万円から投資できるということだ。実物不動産には手が出せない個人投資家でも、こうした物件に投資することができるわけだ。また、資金の一部を不動産小口化商品に投資し、残りの資金を他の金融商品に分散投資することで、きちんとしたポートフォリオを組めることも大きなメリットといえるだろう。
分散投資という意味では、ひとつの不動産に集中投資するのではなく、立地を分散できるメリットもある。たとえば2,000万円の資金がある場合、200万円ずつ10物件に投資するといったこともできるわけだ。
自分のような投資できる金額が少ない投資家でも、分散投資でリスクを分散できるのは少なからず大きなメリットであると思う。
■費用と手間を抑えられる
(写真= yoshi0511/Shutterstock.com)
また、不動産投資を始める際に必要な初期費用も、実物不動産と不動産小口化商品との間には大きな差があることも知った。実物不動産の場合は「仲介手数料」「契約書類の印紙代」「司法書士への報酬」「不動産ローンの事務手数料」「火災保険料」といった契約時に必要な手数料や報酬のほか、「不動産取得税」「登録免許税」「固定資産税」「都市計画税」といった各種税金がかかり、その金額は決して少なくない。しかし、不動産小口化商品ならこうした各種費用は不動産特定共同事業者が支払う(実際には投資した金額の一部でこれらの費用がまかなわれている)ため、投資する側が気にする必要はない。こういう手軽さも自分のような初心者にはピッタリだと思った。
費用以外にも手間のかかる不動産の維持、管理、運営も不動産特定共同事業者がすべてやってくれる。この点も大きなメリットといえる。マンションやアパートを経営する上で、こうした手間がかからないのはとても重要なポイントだと思う。特に自分のようなサラリーマンをしながら副業で投資を、という個人投資家ならなおさらだ。
■選択肢の少なさがネック
メリットばかりではなく、デメリットについても調べてみると……
l 選択肢が少ない
l レバレッジ効果が得られない
l 流動性が低い
l 事業者の倒産リスク
といったところが主なデメリットとして挙げられていた。
不動産小口化商品は近年増えてきたとはいえ、投資できる物件の種類はまだまだ少なく、選択肢が限られる、ということだ。同じ少額で投資できるREITであれば、マンション、オフィスビル、ホテル、商業施設、物流倉庫など多くの選択肢があるが、不動産小口化商品はまだそこまでのラインナップにはなっていない。そのため人気物件は即完売も珍しくないらしい。つまり、争奪戦ってことか……これはハードルが高そうだ。
また、ローンを組むことができる実物不動産と比較すると、レバレッジ効果が得られないというデメリットも指摘されていた。しかし、これはリスクと表裏一体ともいえるので、自分はさほどデメリットではないように思う。
もうひとつ、売却しにくいという部分もデメリットになるようだ。不動産小口化商品はREITのように上場されているわけではないので市場がなく、売却に苦労する可能性が高いということだ。つまり、現金化しにくいということなので、基本は長期投資向きの商品ということなのだろう。
そのほか、事業者の倒産リスクもあげられていたが、これは事業者選びをしっかりすれば問題ないだろう。
こうして詳しく調べてみると、やっぱり不動産小口化商品は魅力的だ。近年、人気が高まっているのもわかる。
その一方で疑問も残った。不動産小口化商品にはいくつかの契約タイプがあるらしく、それぞれ特徴が異なるとのことだ。次はこのあたりについてしっかり勉強してみよう!(といいながら、部長や課長に教えを請う姿が見えるぞ)