
第93話 ETFってなんだ?
(写真=eamesBot/Shutterstock.com)
前回:投資信託について詳しく調べてみたら、知っているようで知らないことばかりだった。
ETFは自由に売買できる投資信託!?
投資信託について理解を深めたので、次のターゲットは「ETF」だ。これも資産家のスズキさんを訪ねた際、ポートフォリオの話の中で出てきた言葉で、適当に相槌を打っていたが、例のごとくよくわかっていない(おい)。
ということで、さっそく調査開始!
え~、なになに。ETFというのは、「Exchange Traded Fund」の略称とのこと。日本語では「上場投資信託」と呼ぶそうだ。うん、まったくピンとこない(笑)。
もうちょっと調べると、Exchangeは証券取引所、Tradedは取引、Fundは投資信託のことを指していて、そのまんま証券取引所で取引できる投資信託ということらしい。
「あれ? 投資信託なの? 上場って株で使う言葉だよね?」
なんだかよくわからないがもう少し調べる。
代表的なETFは、日経平均や東証株価指数(TOPIX)といった株価指数と連動するもので、株式市場全体に分散投資することができるということだ。
「あれ? これって前回勉強したインデックスファンドと同じだよね? もうわけがわからない」
フクダ課長、助けて~(結局それか…)
ETFは株式と投資信託のいいとこ取り!
(写真=Aleksandra Gigowska/Shutterstock.com)
「フクダ課長、すみませんETFについて調べているんですが、証券取引所で取引できる投資信託で指数に連動するっていうことはわかったんですが、インデックス型の投資信託となにが違うんでしょうか?」
「ETFは確かにわかりにくいよねぇ。かんたんにいうと株と同じように売買できる投資信託のことだよ」
「株と同じようにですか……」
「そう! 投資信託は1日1回算出される基準価額で売買されるので、自分で売りたい価格で売買できないのは知ってるでしょ?」
「はい」
「ETFは証券取引所に上場しているから、取引時間中ならいつでもそのときの価格で売買できるんだよ。指値注文もできるし、成行注文もできる。だから株と同じように売買できる投資信託ってわけなんだ。これでわかってもらえるかなぁ?」
「はい、大丈夫です! 違いがよくわかりました。つまり株式と投資信託のいいとこどりがETFってことですよね?」
「一概にそうとはいいきれないけど、両方のメリットがあるね。あとは売買や保有コストにも違いがあるから、調べてみてね」
「はい。ありがとうございました!」
ETFは保有コスト面で有利!
課長に教えてもらったものの、「よく」は理解できなかったので早速調べてみる。ETFは、売買時に「売買委託手数料」が必要になるが、これは投資信託も同じなので、大きな差はないようだ。また、ノーロードの投資信託と同じように、手数料無料のフリーETFというものがあることも知った。
もうひとつ、ETFの手数料はNISA口座を利用すると無料にできるらしい。NISAなら知っている。少額投資非課税口座といって、年間120万円までの投資で得られた売却益や分配金が最長5年間非課税となる制度のことだ(どや!)
そして、ETFも投資信託と同じように「信託報酬」が必要のようだ。しかし、調べてみると、ETFのほうが投資信託よりも低い傾向にあって、保有コスト面でのメリットとしてあげられていた。
ん~、ということはETFってメリットばかりじゃないか? インデックスファンドを買うならETFの方がいいように思えるが、デメリットはないんだろうか?
調べてみると、ETFは自動で積み立て投資ができず、分配金は現金で分配され、自動で再投資もできないことがわかった。投資信託は基本的にどちらもできるので、長期保有する場合は投資信託のほうが有利な面があるようだ。
個人的には保有コストの低いETFの方が魅力に感じるが、長期投資で考えた場合、分配金の再投資で複利運用がしやすいインデックス型の投資信託の方が有利になることもあるとのこと。この辺はしっかり計算が必要になるが、ETFへの投資も真剣に考えてみよう!(あれもこれもじゃ資金が足りなくなりますよ?)
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
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