
第3話 投資信託と牛丼
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意外とカンタンだった証券口座の開設
前回:投資の意味を調べて、証券会社に口座を開くことに。投資はじめました第二話はこちら
証券会社の資料が送られてくるのを待つ間、Google先生で調査を続行。すると、Webで全部手続きできることが判明。
さっそく、評判がいい■■証券に口座を開設。身分証明書もアップロードで済むホント便利な世の中だ。ただ、口座の開設に数日かかるので、手続きしてすぐに株の売買ができるわけではない。また、証券口座に入金する必要があること、株は基本的に単元という単位(最低売買株数のこと)でしか売買できないことも知った。
えっ!? じゃあ、新型ハードが好調の●●の株を買おうとしたら、1株2万4,735円だから、247万円もいるの? しかも、そんなことはないだろうけど、もし●●●が倒産しちゃったら、これが0円になっちゃうってこと? やっぱり株って怖い。
「先輩、株って何十万円が0になっちゃう可能性があるじゃないですか? そんなもの、よく買えますね?」
「そりゃ0になる可能性はあるけど、倒産する可能性が低いしっかりした会社を選ぶんだ。株価が下がってきて危ないと感じたら売ればいいし、業績が上がって株価も上がってから売れば利益もでる。投資はリスクばかり考えてたらできへん。リスクとリターンのバランスが大事なのよね」
なるほど、もっともな話だ。場当たり的に株を買っているわけではないのね(当たり前だ)
お得な株主優待は密かな人気!
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「株には配当や株主優待もあるよ。株主優待は特集本もでるほどの人気だよ」と、部長。
さっそく調べてみると、配当は利益を株主に還元するもので、権利確定日に1株あたり定められた配当がもらえる。株式の配当は、銘柄によって異なるが配当利回りが高いものは株価の5%を超えるものもあるようだ。
そして、株主優待は自社の商品や様々なサービスを株主に提供するものらしい。ファーストフードの●●はセット引換券が半年ごとに6枚ずつもらえる。牛丼引換券とか5000円分の商品券とか、結構魅力的な優待が見つかる。
株は保有希望者が多いほど高値になりやすいから企業も優待を出すわけで。
先輩は、「食はなくならないから企業が安定しやすい、だから銘柄を買うのさ」と言っていたが、結局優待の食べ物に釣られているだけじゃん。
運用をプロに任せる投資信託
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「もし、自分で株の銘柄を選ぶ自信がないとか、投資できる金額が少ないときは、投資信託という手もあるよ」と先輩。
しんたく? しんたくってなんだ? 神託? 神様のお告げってこと?
「“しんたく”ってなんですか?」
「信用して託すってことだよ。ファンド会社などにお金を預けて運用してもらう。運用益から手数料が引かれたものが配当として分配されるんだ」
なるほど、自分みたいな素人が考えて売買するよりも、手数料は取られてもプロの専門家に任せようということか。これも調べてみると、安定しやすいように国債の割合が80%シェアとか、日経平均株価に連動するインデックスとか、結構な種類がある。
投資信託は、大きく分けると「国内」か「海外」か、「株式」か「債券」かの組み合わせになって、海外より国内、株式より債券のほうがローリスク、ローリターンになるみたい。
毎月数千円ずつ積み立てていくこともできるので、投資できる資金が少なくてもすぐ始められる。
「大人ってあの手この手でお金を引き出そうとしているんですね。怖いですねー。」
「そうだよ、気をつけなくっちゃ。牛丼に釣られて株買う人もおるしねー。」
結局そこか。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
実在の取材などでご協力いただいた皆様については、
フィクションとしてお楽しみいただきつつ、