Original

第45話 四季報の財務欄で貸借対照表の情報を読み取る

(写真=Casper1774 Studio/Shutterstock.com)

前回:四季報の損益計算書の数値から、会社の実力や収益性を読み解くことを学んだ。
投資はじめました第44話はこちら

目次[非表示]

  1. 1.貸借対照表を理解しよう!
  2. 2.自己資本と自己資本比率は特に重要!

貸借対照表を理解しよう!

部長と先輩にいろいろ教えてもらったおかげで、会社四季報の見方がだいぶわかってきた。とはいえ、まだわからないところもあって、とくにこの【財務】の項目が気になっている。ここは絶対に大事なハズだ。と考えていると、オオタ部長のところにマイコ先輩がやってきた。

「みんな、なにを真剣に読んでるのかな?」

「会社四季報です!」
アピールのため誰よりも早く電光石火で答える。

「へー、いろいろ勉強してるのね。感心感心」

「といっても、部長や先輩に教えていただいて、なんとか読めるようになったんですが」
ここできちんと上司と先輩を立て謙虚さをアピールする。(単なる事実です)

「なんや、気持ち悪いやっちゃなー。まあ、ええわ。で、どうや? 銘柄を絞り込むことはできたんか?」

「そのことで相談があります。この機会に、四季報の内容をすべて把握できるようになりたいので、【財務】の項目について教えて欲しんです」

「それは、いい心がけだな。ポイントだけを見れば効率よくチェックできるが、それはテクニックに過ぎない。本当に投資したい会社のことを知りたいなら、すべての情報をしっかり読み取れるようになるべきだな。それで、この【財務】には貸借対照表の数値が書かれているんだ」

「それなら、私が教えてあげられるわね。貸借対照表っていうのは、"資産"を左に、"負債+純資産"を右に記入して、左右で対照できる構成になっていて、資産合計(純資産)は必ず負債合計と純資産合計の和と同じになるのね。左右が釣り合うことから"バランスシート"やその省略形で"BS"とよばれることもあるわ」

「マイコくんの説明どおりなんだが、四季報の数値は抜粋なので、記載されている金額を合算しても釣り合わないんだ。細かくチェックするなら会社のホームページや、金融庁のEDINETのサイトで閲覧できる決算短信などで確認した方がいいが、私の場合そこまでする必要はないと考えている」

「財務って項目になってるんは、ここを見れば会社の財務状況が一発でわかるからやな」と、ニシカワ先輩も強引に会話に入ってきた

自己資本と自己資本比率は特に重要!

(写真=Maxx-Studio/Shutterstock.com)

「じゃあ、続きを説明するわね。"資産合計"というのは、現金や預金、売掛金などのお金のほか、有価証券、製品と原材料、機械設備、社屋や工場の土地建物まで、会社が持っているすべての資産の合計額よ」

マイコ先輩ってなんでこんなに詳しいんだろうと思いつつ、
「どれくらいの規模で事業を行っているのかがわかるわけですね?」
とわかったようなわからないようなことを言ってみる。

「そうね。それで大事なのはその下の"自己資本"と"自己資本比率"なの。自己資本というのは、かんたんにいうと返済する必要がなく会社が自由に使える資金のことね。その自己資本が総資産に対してどれくらいの割合かを示すのが"自己資本比率"なの。これがなんで大事かわかる?」

「そうですね……、返済しなくていい自己資金の割合が高い方が、経営が安定するからだと思います。いくら総資産が多くても借金が多い会社は、いろいろリスクがあるのではないでしょうか?」
我ながら、なかなかいい答えだと思うが、どうだろう……?

「すごい、正解! だから自己資本比率を見て、返済の必要のあるお金で総資産が大きくなっていないかのチェックが重要なの」

「ただし、自己資本比率が高いから優良企業、低いから不良企業と決めつけるのは早計だ。事業を拡大するために積極的に資金を借りる企業は、自己資本比率が低くなってしまうが、だからといって安定性の低いリスクのある企業かというと、そういうわけでもないだろう。試しに日本を代表するような大企業の自己資本比率を調べてみるといい。驚くほど低い企業も少なくないんだぞ」といつも的確な部長のフォローが入る。

「そうそう、大きな金額を借りられるということも大事なの。それで次の"資本金"というのは、株主から払い込んでもらったお金のことね。イメージだと、企業の基礎体力、といったところかしら。"利益剰余金"は借金の返済や設備投資、株主への配当などに使わなかった利益を内部留保として残しているものね」

「"資本金"と"利益剰余金"、このふたつの金額って自己資本に含まれるハズですよね? ということは、ここは自己資本の内訳ということですか?」

「そのとおり、すごいじゃない! 利益剰余金はコツコツと企業が積み立ててきたものだから、自己資本のうち、利益剰余金がどれくらいの金額を占めるかを知ることは重要ね」

「最後の"有利子負債"は、利子を払う必要のある借金ってことですね」

「そう! 読めばわかるから説明する前に理解したみたいね(笑) オオタ部長がさっきいったように、有利子負債が多いからダメってことではないことに注意してね」と笑顔のマイコ先輩。やっぱり素敵な人だなぁ。

「マイコ先輩、詳しい説明ありがとうございました。これで四季報をさらに深く読めそうです。オオタ部長もニシカワ先輩もいつもありがとうございます」と素直にお礼をいう。

「いや、キミがこんなに勉強熱心とは嬉しい限りだ。マイコくんも忙しいなかありがとう」

「どういたしまして。簿記や経理関係はけっこう得意だから、なんかあったら聞いてね」といって、マイコ先輩は颯爽と去っていった。

そんなマイコ先輩を笑顔で見送る部長と自分。その脇で、
「今回、ほとんどしゃべってへんがな……マイコちゃん来てたのに……」と、
不満そうなニシカワ先輩だった(ちゃんちゃん)

次回へ続く。

>> 投資はじめましたの新着情報を受け取る

※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
 実在の取材などでご協力いただいた皆様については、許諾いただいた場合に限り、実名でご登場いただきます。
 フィクションとしてお楽しみいただきつつ、皆様の資産形成にお役立てください。


>>小口投資商品一覧表<<
※みんなの投資onlineで紹介した
小口投資商品を一覧にしております。


検索


これから投資を始める方へ

新着記事


公式Facebookページ


公式Twitterアカウント


運営者情報

小口化投資商品の流通プラットフォーム 「みんなの投資online」の運営事業

株式会社エー・ディー・ワークス
〒100-0011 東京都千代田区内幸町一丁目1番7号 日比谷U-1ビル13階

メニュー