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第33話 投資目線で考える クルマ購入

 (写真=Gargantiopa/Shutterstock)

前回:駐車場予約サービスの存在を知り、空き駐車場があれば個人でも手軽に始められることを知った。投資はじめました第32話はこちら

目次[非表示]

  1. 1.クルマがあると女の子にモテるよね?
  2. 2.金利を甘く見ると痛い目に……

クルマがあると女の子にモテるよね?

結婚まで考えていた彼女に、突然の別れを告げられて1週間。連絡しても無視をされ、直接会って話すこともできない……。別れのきっかけはささいなケンカだったけど、ボクとは結婚できないという思いがどこかにあったのだと考えると結構ツラい……。

仕事がある平日は忙しさで気が紛れたが、休日は部屋にいるといろいろ考えてしまう。このまま部屋にいるとおかしくなりそうなので、気分転換にサイクリングに出かけることにした。

4時間後、なぜかクルマのカタログをもらって帰宅していた……。
何をいっているのかわからないと思うが、通りがかったディーラーに気になっていた新型車があり、ふらりと入ったのがはじまりだった。

~回想~
「いらっしゃいませ」
ディーラーに入った途端、ショートカットの素敵な女性が声をかけてきた。
「ど、どうも……こんにちは。あ、えーとですね、あのクルマを見せてほしいんですけど」
なにしろディーラーに入ったのは初めてなのだ。

「はい、(車の名前)ですね」
そんな挙動不審になっているボクにも笑顔で対応してくれる女性。クルマの機能や特徴の説明を受けながら、ボクはだんだんこの女性に惹かれはじめていた。

結局、そのまま流れで試乗して、毎月の支払額が半分になる“残価設定ローン”の説明を受け、「今日決めていただければこの金額まで値引きします!」の落とし文句と飛び切りの笑顔に負けて、契約書にサイン……しかけたところで、ふと我に返り、カタログだけもらって帰宅したのだった。
~回想終わり~

危うくとんでもない衝動買いをしてしまうところだった……。失恋のショックで、何かがおかしくなっていたのかもしれない。でも、彼女との結婚資金も必要なくなったし、支払いはなんとかなる。それにクルマがあれば女の子にモテるハズだ! 新しい彼女もすぐに見つかるに違いない!! そうだ、マイコ先輩をドライブに誘うためにもクルマを買うしか……!!!

金利を甘く見ると痛い目に……


(写真= Massimo Vernicesole/Shutterstock)

「どや? 少しは失恋の痛手から立ち直ったか?」
月曜、出社するとニシカワ先輩が話しかけてくる。

「ええ、まあ……」きっと先輩は、半分からかいながらも心配してくれているんだろうけど、この話題はまだキツい。そこで話を変えようと、クルマを買おうと思っていることを報告する。

てっきり、フラれた勢いでクルマ買うなんてアホやなーといじられるかと思ったが……。
「自分、残価設定ローンでクルマを買うつもりなんか? そりゃよしあしやで……」 と先輩は予想外の反応を見せた。

「え? でも毎月の支払いは減るし、3年後には買い取ってもらえるからお得ですよね?」

「それが浅はかやっちゅーねん。まず、残価設定ローンの金利はなんぼや? それに、ローン部分だけでなく残価に設定した部分にも金利がかかること、ちゃんと理解しとるんか? さらに、3年後の買い取り価格は走行距離や傷なんかで減額もされることもあるんや。 そのうえ、3年以降もそのまま乗り続ける場合、残債を最終支払回に一括で払えるんか? それかもう一度ローンを組むなら金利は調べたんか?」

「え……、でも担当のお姉さんがおトクですよって……」
矢継ぎ早の質問に焦りを隠せない。

「投資のことを勉強しているなら、金利のわずかな違いがどれぐらい大きな差になるのかはきちんと認識しておくべきだ。今までに、投資で得られる金利がわずかなことはすでに理解してるだろう。ではなぜカンタンに金利を払おうとするんだ?」と、いつになく厳しい口調のオオタ部長。

「どーせ、営業のキレイな女性にコロっとやられたんやろw ええか、銀行や既存の金融機関の低金利マイカーローンなら約2~4%、地方銀行なんかには年利1.25%からというものもあるんや。対する残価設定ローンは、通常は年利3.9%、というところが多いんや。どっちがトクかはいうまでもない?」

「でも、特別金利で1.9%という話ももらいました」と反撃を試みるが……。

「特別金利の1.9%であればマイカーローンと大きな差がないように思うが、問題になるのは残価の支払いだ。一括で返済できれば問題はないが、できない場合はクルマを手放すか、再度ローンを組むかになる。クルマを手放すならまたローンで買うかクルマなしの生活に戻るかになるし、今あるクルマが気に入ってやっぱり欲しい!となった時に再度ローンを組む場合、また特別金利1.9%で組めるかどうかわからない。

つまり、基本的に残価設定ローンは金利負担が重くなることもあるんだ。残価設定の期間だけクルマが必要だとか、3年とかの定期的に新車に乗り換えるとか、そういう事情があるのなら別だが、自分は何の目的で車を買うのかしっかりと考えた方がいい」とオオタ部長からトドメの一言が……。

「はい、考えてみます……」
みんなに責められて涙目になりながら、いそいそと金利の計算をはじめる。

まず、購入を検討しているクルマの価格は300万だ。残価設定ローンで残価150万として金利1.9%の60回払い (5年ローン:12ヶ月×5年=60回) で計算すると、毎月の支払額は2万9,063円、総支払額は171万4,717円となった。つまり、金利負担は21万4,717円だ。

対して、残価を設定せずに300万円を60回払いにすると、毎月の支払額は5万2,452円、総支払額は314万7,120円、金利負担は14万7,120円だ。毎月の負担は重いが、その分支払う金利は、残価を設定した場合とでは約7万円も少ない。

さらに、さっきの残価設定ローンの話で、5年後にクルマを手放さず、残価150万円に対してローンを組んだ場合、今度は金利3.9%に上がっての60回払い、となると金利負担は15万3,420円。

ということは、300万するクルマを残価設定ローンで購入し、そのまま10年間 (5年+5年) ローンを払い続けた場合、合計すると金利負担は、

21万4,717円 + 15万3,420円 = 36万8,137円 にもなる……。
これでは、部長や先輩が呆れかえるのも無理はない……。

とはいえ、今の自分に毎月5万円超のローンを支払えるはずもないし、かといって残価設定ローンにしても、5年後に一括で支払うのはたぶん無理だ。再度ローンを組んでも金利が高くつく可能性があるとするのであればなおさら…。

つまり、買うクルマの価格を下げるか、最悪のケース、クルマを買うのを諦めるしかなさそうだ……。
定期的に新車に乗り換えられるくらいの経済力があれば、残価設定ローンのメリットも享受できそうだけど……。

「どや? 計算できたんか?」

「はい、部長や先輩のおっしゃる通りでした」と答えるのが精一杯だ。

「試しに、毎月2万9,000円を5年間年利1.9%で積み立てたらいくらになるか計算してみ」

さっそく計算してみる。 え? えええ!? 182万5,982円 (※みんなの投資online調べ) になるの!!

「どや? ローンの金利負担って恐ろしいやろ、 2万9,000円をコツコツ積み立てていれば180万円以上になるんや。

1.9%っていう低金利ローンといえど、安易に考えるのは危険やで。かといってローンが全て良くないってわけやない。要は使いどころが肝心なんや。まずは、ローンに頼らず自己資金をある程度貯めることを考えるべきやな!」

「投資にせよ、借金にせよ、金利を軽く考えてはいけないことがわかればいいんだ。以後気をつけるように」と部長。

それにしても、投資で利回りのことをさんざん勉強してきたのに、金利負担のことまできちんと考えられなかった自分が恥ずかしい。というか1.9%ならおトクだと思ってしまった……。まだまだ勉強不足だ。もっともっと仕事も投資もがんばらなくちゃ! その前に、まずはマイコ先輩をなんとかしてデートに誘わなければ!!(この××! ちがうだろーーー!)

(本文にある金利は2017年12月1日現在のものです)


次回へ続く。

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※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
 実在の取材などでご協力いただいた皆様については、許諾いただいた場合に限り、実名でご登場いただきます。
 フィクションとしてお楽しみいただきつつ、皆様の資産形成にお役立てください。

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