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そもそも税制改正とは何か、なぜ行われるのか?  【税理士 宮路幸人】

(写真=Zerbor/Shutterstock.com)

目次[非表示]

  1. 1.そもそも税制改正とは?
  2. 2.なぜ税制改正を行うのか
  3. 3.税制改正の流れ
  4. 4.執筆者情報・お問い合わせ先


我々税理士にとっては年末になり税制改正の話題が報道され始めると、今年ももうそんな時期かと思う頃ではあるが(税制改正の勉強をしなければならない!)、みなさんはいかがであろうか。そもそも税制改正とは何か、毎年改正する必要はあるのだろうか、何のために税制改正を行うのだろうかなどについて簡単に紹介したい。


そもそも税制改正とは?

税制改正とは文字通り税金の制度を改正することをいう。企業経営者であれば、税制改正は企業経営に大きな影響を与えることが多いため関心をもっている方も多いであろう。また個人としても消費税率の改正やふるさと納税の改正などは身近に感じられるため関心をもたれる方も多いと思われる。


我が国においては国と地方の税制は毎年見直しが行われている。毎年税制を改正する理由とは何であろうか。それは税制が社会情勢や国・地方の財政状況などと密接にかかわっているからと言われている。



なぜ税制改正を行うのか

税制は時代を反映しており、たとえば酒税は明治以後まで長く国税収入で大きい割合を占めていた。日清・日露戦争は戦費を主に酒税でまかなったといわれている。また相続税も日露戦争の戦費調達のため導入された税金である。戦後は所得税、法人税等の直接税が税収の中心であったが、直間比率の見直しにより、大型間接税の消費税が導入されることとなった。高度成長時代においては国の経済規模が大きくなっていったため、毎年減税しても税収は増えるという納税者にはよき時代もあった。しかし現在においては少子高齢化が進行している事や国債費の返済等により、国家財政は厳しい状況である。特に少子高齢化が財政に与える影響は大きく、労働人口が減り、年金受給者が増える事は国家予算の収入は減少するが支出は増えて行くということなので、財政的に非常に厳しい。


このような厳しい現状を踏まえて近年は所得税及び相続税の個人課税は課税強化の方向にあり、また消費税も高齢化社会の進行により年金財政不足を賄うため、消費税率の引き上げが予定されている。一方、法人税においては、日本の実効法人税率が世界的に高めであることにより企業の競争力が損なわれ、企業が法人税率の低い他国へ移ることへの防止、加えて、世界から企業を呼び込むことを目的に法人税率は近年減税傾向にある。


また景気動向にも税収は大きく影響を受ける。景気がよければ税収は増える一方、不景気になると税収は低下することとなる。しかしながら、どのような状況であれ毎年国家運営に必要な予算を確保しなければならない。


このように社会情勢に合わせ、毎年税制改正の論議はすすめられる。たとえば2019年10月に予定されている消費税税率の引き上げは今後も進むと考えられる少子高齢化を考慮して改正された税制である。所得税や法人税を上げた場合、すでに大きな負担を強いている現役世代の税負担をさらに高めることになってしまうが、消費税であれば国民全体で広く負担することが出来る。税制の目的は国家運営に必要な資金を集めることにあるから、誰からどのくらい税金を集めるかについては、大きな政治問題であり、社会情勢によりその都度変えなければならない。これが、税制改正が毎年行われる大きな理由となる。


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税制改正の流れ

税制は法律であるため、国会を通過しなければ成立することが出来ない。そのため国会に税制改正法案が提出されることとなるが、その前に各省庁の要望を踏まえ、与党の税制調査会が税制改正の内容の審議を行う。その後、毎年12月頃に税制改正大綱が決定される。

次に税制改正大綱を骨子として、財務省が国税、総務省が地方税の税制改正法案を作成する。それぞれの税制改正法案が通常国会に提出され、衆参両院で審議・可決されて初めて法となる。通常は成立と公布は3月末までに行われ、4月1日から施行されることになるが、所得税のような暦年課税の税制については、1月1日にさかのぼって適用される事もあるので注意が必要である。


以上、おおまかであるが税制改正について述べてみた。税制は社会情勢に影響されることなど、なんとなく概要はつかめていただけたであろうか。我々税理士にとって毎年の税制改正に対応するためにはかなりの勉強が必要となり、なにも毎年改正しなくてもよいではないかという思いがないわけではないが、税理士である以上、税制改正への対応することは、顧問先のため重要な仕事となっており、毎年の税制改正の勉強させていただいている次第である。


執筆者情報・お問い合わせ先

【執筆者プロフィール】

宮路幸人税理士

税理士・AFP 実務経験が豊富で長年の経験から会計処理・税務処理及び経営に関する相談や税務の相談など様々な問題に対応可能であり、特に不動産、相続を強みとする。宅地建物取引士、マンション管理士等の資格を保有。


【お問い合わせ】

多賀谷会計事務所

住所:東京都荒川区西日暮里5-13-11 第三イトービル4F

TEL:03-3801-1582




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