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少額で投資できる「不動産小口化商品」とは?ーREITとどこが違うの?

(写真=Andrey_Popov/Shutterstock.com)


マイナス金利の導入や2020年の東京オリンピック開催などで、不動産投資は近年にないほど盛り上がっている。日銀による追加緩和により、将来インフレが起きる可能性が懸念されるなか、インフレに強いといわれる不動産投資に関心が集まっている。首都圏のマンション価格もここ数年は上昇傾向にある。


目次[非表示]

  1. 1.REIT(リート)とは?少額で不動産へ投資できるって本当?
  2. 2.少ない資金で不動産投資ができるのはREITだけじゃない?
  3. 3.不動産小口化商品とは?
  4. 4.不特法に基づいた不動産小口化商品の種類は?
    1. 4.1.任意組合契約
    2. 4.2.匿名組合契約
    3. 4.3.賃貸借型
  5. 5.分散投資で不動産投資のリスクを軽減させる

※本記事は2016年9月30日に公開した内容に一部修正を加え、必要な情報を追記したうえで2019年1月31日に再公開しております。

REIT(リート)とは?少額で不動産へ投資できるって本当?

不動産投資はしたいが高すぎて手が出せない……、そんな方も少なくないはずだ。不動産に投資する他の手段として「REIT」を連想する方もいるだろう。REITとは、「Real Estate Investment Trust」の略で、日本語では「不動産投資信託」とも呼ばれる。多くの投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設、マンションなど複数の不動産に投資して、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する金融商品だ。

投資信託の不動産版と思えばいいだろう。数万円程度の少額資金で投資ができ、証券取引所に上場していて、株式と同じように売買ができるため流動性も高い。日本市場に上場されている銘柄は「J-REIT」とも呼ばれている。


少ない資金で不動産投資ができるのはREITだけじゃない?

「投資の世界で不動産の小口化商品といえばREIT」――そんなイメージを持つ人が少なくないはずだ。ところが、「不動産小口化商品」と呼ばれる商品があることをご存じだろうか。

不動産小口化商品の一つには、投資家が安心して投資できるように「不動産特定共同事業法(不特法)」と呼ばれる法律に基づいた商品がある。不動産の所有権を共有持分などの小口に分けて販売、購入するような仕組みだ。不動産小口化商品の事業者は、国土交通大臣、都道府県知事による免許制が取られている。投資家に対するディスクロージャー(情報公開)の義務付けや、年に一度の監督官庁への事業報告も義務付けられており、投資家を保護する姿勢が強い。投資家保護の背景には、1980年代後半のバブル期に登場した不動産小口化商品が、バブル崩壊によって大きく値崩れし、マネジメントしていた不動産会社が倒産するなど、損失を被る投資家が数多く出たことがある。そうした経緯もあって、1995年に投資家保護の目的から法整備されて再登場したものだ。

現在、不動産の小口化商品を販売しているのは主に中小企業の不動産会社であり、価格が上昇傾向にある不動産に投資する一つの手段として注目が集まっている。


不動産小口化商品とは?

さて、不動産小口化商品とはどんな金融商品なのか。簡単にいえば「複数の投資家が出資して集まった資金を不動産へ投資し、その運用収益を出資者に配分する」ものだ。運用収益というのは、賃貸収入などのインカムゲイン中心の場合が多い。その詳細について解説してみよう。

通常不動産投資といえば、一戸建てやマンションでも、都心部であれば数千万円、ちょっとした郊外でも1,000万円程度の資金は必要になる。

しかし、不動産小口化商品というのは、一般的に数万円から100万円程度に小口化されて販売される。小口化されることで投資しやすくなる、というメリットはよく注目されるが、同時に複数の不動産に投資することも可能となり、1人の投資家としては、リスクを分散して投資することが可能になる。

こうした不動産小口化商品の法的根拠となっている「不動産特定共同事業法(不特法)」では、不動産小口化商品の販売事業を営む事業会社の許可制を義務付けており、一定の条件を満たした事業会社でなければ、同事業を展開できないことになっている。国土交通大臣もしくは都道府県知事による許可制が設けられており、事業者には「資本金1億円以上の宅地建物取引業者であること」「財産的基盤が安定していること」「業務管理者(不動産コンサルティングマスター等)を常置すること」などが求められ、その点も投資家にとってはリスクを抑えられる要因となりうる。


不特法に基づいた不動産小口化商品の種類は?

不特法に基づいた不動産の小口投資商品、これらは契約内容によって次の3種類に分かれる。不動産の所有形態などが微妙に異なっているので注意が必要だ。

任意組合契約

事業者と投資家が組合契約を交わして組合を結成。組合を通して不動産投資を行い、賃貸収入などの収益を投資家に分配する。不動産の所有権は組合員の共有となる。

匿名組合契約

事業者と投資家が匿名組合契約を結び、投資家が組合に金銭を出資し、事業者が取得した不動産を管理・運営する。不動産売の収益は、投資家に分配買や賃貸などされる。不動産の所有権は事業者に帰属し、投資家は事業者から利益配分を受ける権利と出資金の返還請求をする権利を持つことになるが契約により制限されることが一般的である(前1.任意組合契約も同じ)。

賃貸借型

不動産の共有持分を有する投資家が不動産特定共同事業法に基づく許可業者に賃貸運営を委任する。複数の投資家が共同で購入した不動産を、不動産業者に賃貸(委任)し、投資家に賃料を払う。投資家は、共有不動産を賃貸し持分に応じて分配してもらう。


それぞれの契約内容についてはメリット・デメリットもある。不動産特定共同事業法(不特法)に基づく許可業者などの専門家に説明してもらうことが大切だ。


分散投資で不動産投資のリスクを軽減させる

不動産投資は、過去の価格推移でも分かるように、市況によって変動幅(ボラティリティ)が大きくなる。そもそも不動産投資の魅力は、売買益(キャピタルゲイン)と賃貸収入(インカムゲイン)の両方を狙うことができることだが、インカムゲインで安定した収益を得られても、キャピタルゲインを狙った投資は変動幅が大きく難しい。ある程度のリスク回避を図ったうえでの不動産投資が必要になっているのかもしれない。

その点、最低数万円から100万円程度の資金で投資が可能な不動産小口化商品には、さまざまなメリットがある。たとえば、500万円の資金があった時に、その資金を原資にして中古マンションなどに投資することも可能だが、そうなると購入できる物件も限られて、どうしてもリスクを高めてしまうことになる。しかし、不動産の小口化商品にすれば複数のマンションに分散投資ができ、さらには、東京都と神奈川県という具合に地域的にも分散することができる。分散投資は投資の基本であり、リスクを抑えるための有効な手段といえる。

むろん、少額での投資であるために一発で大儲けできるようなチャンスは少なく、小口化される物件も限られるという課題はある。それでも、デメリットを凌駕するメリットもあるといっていいだろう。近年、不動産投資というとREIT投資ばかりがクローズアップされるが、小口投資という方法もあることも選択肢として持っておきたい。


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