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遊休農地・遊休地を都市住民向けの市民農園として再生 株式会社アグリメディア岩本 亮氏


「シェア畑」公式サイト
https://www.sharebatake.com/

農家の高齢化、農業の担い手不足などで維持管理が難しくなった農地や使われていない遊休地が増えている日本。そんな遊休農地・遊休地を活用し、都市住民が手軽に野菜作りを楽しめる農園「シェア畑」が注目を浴びている。その狙いや今後について「都市と農業をつなぐ」をコンセプトに「シェア畑」を運営する、株式会社アグリメディア 農園事業本部 開発部 岩本 亮部長にお話を伺った。


目次[非表示]

  1. 1.農業分野の課題感の大きさを実感したことがスタート
  2. 2.付加価値をつけることで従来の市民農園との差別化に成功
  3. 3.適切な維持管理と安定収入という2つのメリット
  4. 4.農地・非農地いずれも対応できるソリューション
  5. 5.税制改正と都市農地の貸借の円滑化に関する新法による変化は?
  6. 6.シェア畑の今後の展望
  7. 7.お問い合わせ先

農業分野の課題感の大きさを実感したことがスタート

弊社が「シェア畑」をはじめたきっかけですが、創業者である社長の諸藤が自身でビジネスを始めるにあたって色々調べていくなかで、農業分野に課題感が大きく、そこにチャンスがあるだろうと考えたことです。そこで、創業後すぐに300件ほどの農家さんに飛び込みをしてニーズを聞いて回ってみると、都市部にも意外に農地があること、そして決して生産しているところだけではないということがわかりました。

一方、諸藤自身も含め、都市部に住んでいる会社勤めの知り合いのほとんどが野菜作りに縁がなかった。つまり、不動産的には宅地化が進むべき都市部に生産していない農地が残っていて、周辺には野菜作りに縁のない人たちがいるというギャップがある。これをマッチングさせるチャンスがあるのではないかということが「シェア畑」の着眼点になっています。

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都市部の遊休農地の活用について語る岩本 亮氏

付加価値をつけることで従来の市民農園との差別化に成功

お客様の側から見たときの「シェア畑」ですが、基本的には貸し農園・市民農園・区民農園といったものと同種のサービスとなります。ただし、まったく同じということではなく、付加価値を2つ加えています。

1つ目は種・苗・肥料・農機具・資材といったものがすべて現地に用意されている点です。買い物やお出かけのついでにちょっと立ち寄ったり、お車がない方でも自転車や徒歩で来ていただいたりと、手ぶらでご利用いただけます。
2つ目は、野菜作りを教えてくれる経験豊富な"菜園アドバイザー"が、平均週に4日ほど現場に駐在している点です。野菜作りの初心者の方でも安心です。例えばご自身で野菜作りの本を読み込んだりとか、テレビで家庭菜園の特集番組を見たりとか、そういうことをしなくても、空いた時間に畑に行って「今日はどういう作業をすればいいでしょうか?」と聞けば、教えてもらえます。

この2つが、"場所を貸すだけ"という従来型の市民農園とは大きく違うところです。週に一度、だいたい30分から1時間くらいを畑で過ごせば、年間を通して20種類以上の野菜が収穫できるようになっているわけです。

この菜園アドバイザーについて、よく「プロの農家の方なんですか?」というご質問を受けるんですが、家庭菜園や体験農園で野菜作りの経験があるシニアの方が7、8割を占めています。プロの生産農家の方は出荷品質に要求水準があるので、どうしても趣味の野菜作りとのギャップがあります。また、サービス業ですから接客もきちんとしていただく必要もあります。そのため会社勤めをされていた方を中心に菜園アドバイザーをお願いしています。我々以上に接客スキルがある方も多くいらっしゃいますので、今はそうしたシニアの方々の比率が高くなっています。

適切な維持管理と安定収入という2つのメリット

農地を提供するオーナーさんにとってのメリットも2つあります。1つ目は、維持管理の手間がかからないという点です。当社の菜園アドバイザーとお客様とで農地の維持管理を行います。従来型の市民農園も定期的に現場に人は入りますが、常に誰かが維持管理しているという状態ではありません、オーナーさんとしても、農地を荒らしたり、雑草の種を飛ばしたりして近隣の農家さんに迷惑をかける心配もなく、非常に喜んでいただいています。2つ目は、付加価値をつけている分、売り上げが従来型の市民農園の数倍見込めるので、安定した収入が見込めるということです。

デメリットは基本的にはありませんが、理論上は弊社が倒産したり、何らかの事情で事業を撤退したりするということが考えられます。万一そうなった場合、アパート経営などと違いプレイヤーがまだまだ少ない業種でもあり、すぐ別の管理会社に切り替えるということは難しいかもしれません。そういった意味でのリスクはあると思います。

また、「シェア畑」は、案件によって異なるものの、最初に約600万円前後の投資が必要になります。これは現場の整備費用と一定数のお客様を初期段階で集めるための広告・営業費用、それから自治体への申請費用や人件費も含めた金額です。弊社は必ず許認可を取りますし、相続税などデリケートな部分では税務署にご一緒するようなこともありますので、そういった部分の経費も含んだものです。

そのほか、盛り土が必要であったり、雑木林で伐採が必要であったりする場合には、別途費用がかかります。ただし、それをどちらが負担するかということは、オーナー様とご相談させていただいて決めていく形になっていますので、まずはお気軽にご相談ください。

農地・非農地いずれも対応できるソリューション

「シェア畑」の開設場所ですが、8割強が農地、残りが宅地や雑種地、いわゆる非農地になっています。農地の内訳は「市街化区域農地」と「調整区域農地」が半々に近いくらいの比率で、さらに市街化区域農地には、「生産緑地」といつでも宅地転用できる「宅地化農地」と呼ばれているものにわけられます。

生産緑地は長く維持しないといけませんし、オーナー様自身にも農地として長く残したいという気持ちが強い傾向があります。しかし、オーナー様の高齢化や相続人の方がお勤めですぐに畑の維持に取りかかれない、といった理由で、維持管理に困っておられる方がたくさんいらっしゃいますので、その部分でご好評をいただいていると思います。

また、宅地化農地はいつでも宅地転用できますが、そのオプションは維持しつつ農地として残す場合、やはり維持管理が大変ですし、生産緑地と違って毎年の固定資産税がかなり高くなります。同様に調整区域農地は、基本的に駐車場か資材置き場ぐらいしか転用できませんので、売るに売れないということが多く、やはり維持管理に苦労されている方が多くいらっしゃいます。

こうしたケースでも、「シェア畑」であれば付加価値を付けている分、収入面で有利なご提案ができますので、維持管理に加えて安定収入といった面でご好評をいただいています。


「株式会社アグリメディア」公式サイト
http://agrimedia.jp/

税制改正と都市農地の貸借の円滑化に関する新法による変化は?

従来から生産緑地を貸し農園にすることはできましたが、大きく2つの注意点がありました。1つは相続税の納税猶予の問題です。もし相続税納税猶予になっている土地を人に貸すと、制度上猶予が止まってしまい、猶予期間中の利子も含め即時の支払いを求められていました。

もう1つは、相続の際に生産緑地の買取申請をして宅地転用して売却するご予定もしくは可能性がある場合、生産緑地を人に貸してしまいますと、相続の際に主たる従事者証明が出ない恐れがありました。そうなると買取申請ができませんので、この2つのケースにあてはまる場合、当社では「シェア畑」のご提案はしておりませんでした。

しかし、今回の都市農地の貸借の円滑化に関する新法によって、生産緑地であればシンプルに貸し農園ができるようになりましたので、上記のようなケースであっても安心して貸し農園を営むことができます。

一方で、法改正によって我々のような農業をサービス業的に捉えた新しいプレイヤーによって生産緑地が大規模に借りられてしまい、「生産規模を拡大したい農家の方」「新規で就農したい方」の道を妨げるのではないかというご懸念も出ています。
それについては、少なくとも弊社にその意志はありませんし、そもそも「シェア畑」というモデルひとつで、生産緑地すべてを借りられるような能力はありません。ただし、フォローの風であることは間違いないので、生産緑地が多いエリアで納税猶予を受けておられる方が多かったところでは、シェア畑をもう少し増やせるのではないかなと考えています。

シェア畑の今後の展望

貸し農園での野菜づくりというのはまだまだマイナーな趣味でライバルの会社があまりないというのはありがたいことなのですが、一方で弊社のみの広告投下で一生懸命周知を図っているという側面もあります。本来的にはもっとたくさんの人に使っていただけるサービスと考えておりますので、東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県はもちろん、関西エリア、名古屋・広島・福岡・仙台といった場所でもサービスを展開していければと考えています。

また、シェア畑事業は7年目に入りましたので、当初からご利用頂いているお客様はベテランになられています。そうなると、もう少し広い面積で、自分なりのやり方で楽しみたいという方も出てきています。逆に、子供がいるので毎週畑に行くのは難しいという方、芋掘りやイチゴの収穫体験を子供にさせたいという方など、もっとライトなニーズもあると考えています。そういった方々向けに「シェア畑」以外の都市農地を活用したサービスも展開していきたいですね。

じつはこれには別の理由もあって、現在月150件程度のご相談を全国の方からいただいているのですが、「シェア畑」も80カ所となるとそれなりに密度も高くなってきていて、商圏の問題が出てきています。だいたい3~4キロを考えているので、「近隣にすでにあるのでそこが満員になるまではちょっと待っていただけませんか」というような話も増えてきてしまっています。お困りのオーナーさんのことを考えると、農地活用のバリエーションがあったほうがいいのは間違いないと思います。
さらに、郊外型の農地の活用も考えていて、先日「カンブリア宮殿」や「ガイアの夜明け」に取り上げていただいた神奈川県伊勢原市の指定管理業務ですとか、道の駅の管理業務ですとか、そういったことにも今後は会社として積極的に取り組んでいきたいと考えています。


株式会社アグリメディア 農園事業本部 開発部 岩本 亮部長

お問い合わせ先

株式会社アグリメディア
http://agrimedia.jp/

お問い合わせは、フォームで。
http://agrimedia.jp/contact

農地・遊休地活用について詳しく知る
https://tochikatsu-hatake.com/

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