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資金調達が困難な地方の建築や不動産プロジェクトと投資家をクラウドファンディングで結びつける② 株式会社クラウドリアルティ 代表取締役 鬼頭 武嗣


クラウドリアルティ公式サイト
https://www.crowd-realty.com/

不動産に特化した投資型クラウドファンディング・マーケットプレイスにより、これまでになかった投資の場を創出した株式会社クラウドリアルティ。京町家の再生プロジェクトや保育園用地の取得など、地域再生への新しい資金調達と投資の形を生み出すことに成功した代表取締役 鬼頭武嗣氏にお話を伺った。

前編ではクラウドリアルティのビジネスの特徴と、投資家目線で、数字や限られた基準だけにとらわれない投資判断の重要性について掲載する。

前編はこちら>>

後編(本記事)では投資家とは逆の立場である、資金調達をしたいという全ての人のニーズに応えたいというクラウドリアルティの思いと今後のビジョンについて掲載。


目次[非表示]

  1. 1.資金調達のチャンスをすべての人に
  2. 2.世界中のお金を集めたい人と出資したい人とをつなぎたい
  3. 3.お問い合わせ先

資金調達のチャンスをすべての人に

京都の町家再生に関しては相変わらず引き合いが強く、町家の再生をしたい方や町家を活用した事業に関わられている方、公的な機関などからもお声掛けいただきます。町家というひとつの事例がどんどん掘り下げられていて、起案者と投資家双方の情報が集まりやすくなっているため、それぞれのニーズを繋げるうえで非常によい循環になっていると感じています。

また、東北や九州など違う地域の方からも遊休不動産の再生や、“地方創生”の文脈などでの問い合わせは結構いただいています。例えば、東北は震災からの復興という大きな課題があるなかで、創生を資金面からサポートするひとつの方法として。九州もインバウンドでの訪日客が多い地域ですが、やはり国際空港がある福岡の話が多い印象です。それ以外の九州各県の方ももちろん訪日客を呼び込みたいわけですから、「訪日客を狙ってやりたいんだ」という話はよく頂戴します。

保育園についても一つ成功事例が出ると、相談ベースではあるものの学童保育など関連した分野も含めて問い合わせをいただくことはあります。

私は前職ではJ-REITのIPOや公募増資などをサポートしていたのですが、J-REIT業界のなかでの自主規制や金融機関としてのルールがあるので、そういったルールでスクリーニングしていくと、今挙げたような資金調達のニーズには弾かれてしまうものがたくさんある。こういう中央集権的に決めたルールが一つの足枷となって、資金調達の機会が限定されてしまうんです。

町家の話でいえば、築60年、70年といった古い不動産は担保としての価値をなかなか見てもらえず、融資を受けられないというところがあります。そのほかスタートアップ企業もそうですし、NPOなどが起案者になる場合も既存の制度ではお金が借りにくい。

街の課題として遊休不動産が増えている、街並みが破壊されている、待機児童が増えているといった、それぞれの地域に大きな社会的課題がある一方で、現状の市場や制度下ではその解決のための様々なアイデアに必要な資金やリソースが十分に供給されていませんでした。

「価値観が理解できる」とか「プロジェクトのイメージが湧く」とか、そういった不確実なものでも、それを許容できる人がいればお金は集まります。誰のものとも知れないルールではなく、一人ひとりの市場参加者に向き合って資金の需給を繋いでいこうと思ってクラウドリアルティのプラットフォームを立ち上げたわけです。

お金を調達したいというすべての人のニーズに応えるのであれば、究極的には「スクリーニングのための特定のルールを作らない」という方法でしかそれは実現できません。言い換えると、ありのままを投資家のみなさんに見せて、どう判断するかはそれぞれの主観的な意思決定に委ねるという方法とも言えます。そしてその中で資本市場としての秩序も確立していく。これがクラウドリアルティとして大事にしているポイントで、僕がこのプラットフォームを立ち上げた時からずっと実現を目指しているコンセプトでもあります。

世界中のお金を集めたい人と出資したい人とをつなぎたい

実際にやってみると、なにか課題があって、その課題を解決したいという人たちが起ち上げたプロジェクトには、同じような課題を抱えている方が出資するという傾向が強いことを実感します。たとえば、保育園のプロジェクトへの出資者は他と比べると女性比率が高いのですが、待機児童の問題が身近な女性や教育に関わっている方とか、その課題の重大さが自分事としてよくわかっている方たちが共感して応援しています。これは京都の町家でも同じで、傾向として京都を中心に関西近郊の投資家の方が多いほか、街づくり関連に関わっている方も大勢いらっしゃいます。プロジェクトに多様性があるので、出資される方もプロジェクトごとに属性が大きく変わってきます。この点は我々のビジネスの面白さだと考えています。

クラウドリアルティ公式サイト内にある国内プロジェクト紹介ページ
https://www.crowd-realty.com/project/domestic/list/

一方海外では、これまでエストニアでふたつのプロジェクトを手がけましたが、今後はエストニア以外の海外案件も増やしていきたいです。逆に海外のお金を日本やアジアの国々に持ってくる、たとえば京都の町家に欧州の投資家が投資するといった形も実現したいと思っています。

つまり、世界中のお金を集めたい人と出資したい人とを繋いでいきたいのですが、これはとにかく大変です。“グローバルオファリング”と投資銀行では呼んでいますが、各国のレギュレーションの違いもあって、簡単にはできません。不確実性の高いものに対して不特定多数から多額の資金を集めるという行為は影響範囲もそのインパクトも大きいため、レギュレーションとしてはおそらく世界で一番厳しい部類に入ると思います。

逆に言うとこの障壁が大き過ぎるので、様々なテクノロジーを統合しつつ少しずつでも市場をアップデートしたいというのが自分のモチベーションのコアの部分にあって、世界の誰もが一人の例外もなくグローバルオファリングを簡単にできる資本市場を創りきるというのが目指しているゴールです。本当に長い道のりですが、それが解決すべき課題の本質的なところだと思っていますし、起業家としての私のビジョンですので取り組む以外の選択肢はありません。

おかげさまでいろいろな方から相談をいただくのですが、できるだけそのすべてに応えたいと思っています。かなり難しそうに見えるものもありますが、先ほどの通り、我々の役割は一人の例外もなくすべての多様性を受け止めることだと思っていますので、そこに投資家の方々のフィードバックなどもうまく取り入れながら、「どういう形なら実現できそうか」ということを詰めていっています。

私に新しい普遍的な資本市場を創るというビジョンがあるように、それぞれの起案者の方々にも譲れないビジョンがあると思いますので、それを最大限尊重し、その実現に貢献したいという思いは非常に強いです。

また、投資家を募る方法として、無作為に資金を投下してプロモーションを打ち出したりはしません。というのも、それぞれのプロジェクトの起案者と同じ思いや価値観を持った人に投資家になってほしいと思っており、そこが合致しない投資家が集まってしまっては起案者にとっても良くない事だと考えているからです。

金商法の第40条には、適合性の原則といって、投資家にはそのステータスに合った投資商品を薦めなければならないという趣旨の原則が定められているのですが、このステータスには投資経験や知識、年収や資産の状況の他に投資を行う目的も含まれます。我々はこの目的には、客観性のある運用目的だけでなく、主観的な価値観も含まれると思っています。

主観的であるが故に、起案者と投資家双方の価値観の適合判定は非常に難しいのですが、しっかりと原理原則に従って正しい進め方でやっていくことを大切にしています。

今後は、もう少し大規模なプロジェクトも手掛けていきたいと考えています。不動産を絡めたビジネスをされている、ありとあらゆる起案者のプロジェクトと投資家をつなぐようにできたらいいですね。

株式会社クラウドリアルティ 代表取締役 鬼頭武嗣氏


お問い合わせ先

株式会社クラウドリアルティ
https://www.crowd-realty.com/

お問い合わせは、電話(平日10:00~18:00)またはフォームで。
https://www.crowd-realty.com/contact/

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