
不動産管理とは? 不動産管理会社とは? 最低限知っておきたい基礎知識
賃貸物件を所有しているオーナーの方々にとって、所有物件が本当に価値を持つ資産となるかどうかは管理会社の良し悪しにかかっていると言っても過言ではない。それほどオーナーにとって管理会社選びは大切なものだ。しかし現状は、管理会社を自分の目でしっかり確かめて能動的に選んでいるオーナーはあまり多くない。たとえば親から相続した物件であれば、元々使っていた管理会社をそのまま引き継ぐ、新築時では、建設会社に紹介を受けた管理会社(多くが関連会社)を使うケースが大部分だからだ。
不動産賃貸業は一つの事業であり、物件オーナーはその事業を運営する会社の社長である。収益を最大に、そしてコストを最小にすることはビジネスであれば当然のことであり、これは不動産賃貸業においてもいえる。そしてそのかじ取りをするのが、物件のオーナーなのだ。従って管理会社をビジネスライクな視点から選択していくのはとても重要なことであり、オーナーの要望を満たさない管理会社は場合によっては変更することまで考える必要がある。
(写真=PIXTA)
目次[非表示]
- 1.管理会社の概要とは
- 2.管理会社を選ぶときに確認したいポイント
- 2.1. 管理会社の事業継続性
- 2.2. 信頼性
- 2.3. 空室対応力
- 2.4.管理能力

※本記事は2016年9月30日に公開した内容に一部修正を加え、必要な情報を追記したうえで2019年1月8日に再公開しております。
管理会社の概要とは
では、ここで収益物件の管理会社の仕事の概要を見ていこう。管理会社は、オーナー(賃貸人)と入居者(賃借人)の間に立って、以下の業務を行う。
1. 土地、建物、付帯設備の管理
2. 賃料、敷金、礼金、更新料などの金銭出納業務
3. 空室が出た場合の入居者募集業務
4. 入居者のクレーム、要望の収集、それへの対処
5. 入居関係の書類管理、鍵などの備品管理
これらの5つは管理会社の代表的な業務で、管理会社によってできる範囲が異なる。詳細は契約時に改めて確認するか、相続などで引き継いだ場合は再確認する必要がある。
(写真=spaxiax/Shutterstock.com)
管理会社を選ぶときに確認したいポイント
次に管理会社を選択する場合のチェックポイントを挙げてみよう。管理会社を選択する場合は、できれば3社程度の管理会社を比較してみるとよい。その際、ここで挙げるポイントに注意が必要だ。
管理会社の事業継続性
・ 長い管理経験を持っている
・ 財務面で安心できる。可能ならHPなどで財務諸表を確認する
・ 国土交通省の賃貸住宅管理業者登録制度に登録、又は公益財団法人日本賃貸住宅管理協会に加盟しているか
・ 地域密着の管理をしている
信頼性
・ 担当者、またはその管理者が信用できるか、迅速な対応ができるか
・ 管理料に見合う仕事内容か
・ 定期的に送られてくる管理運営の業務報告が適切であるか
・ 担当者が頻繁に変わらないか
・ 宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、管理業務主任者、マンション管理士、マンション維持修繕技術者、FP(ファイナンシャル・プランナー)などの資格保有者が多いか
・セミナーや会報誌、メールなどで定期的に役立つ情報を送ってくるか
空室対応力
・ 入居者の審査基準が明らかになっているか
・ 空室率を常に意識しているか
・ 所有物件の空室率が常に明示されている
・ 家賃滞納を保証する体制が整えられているか
・ REINS(レインズ)に募集情報をできるだけ早く掲載しているか
・ 築古物件の修繕履歴などがきちんと管理されているか
※空室対応についてはサブリースのことも考えておきたい
サブリースとは、集合住宅を管理する形態の一種。収益物件のオーナーはマンションやアパートなどの集合住宅をサブリース会社に一定金額で貸し付け、サブリース会社は借り上げた住宅を入居者に転貸(又貸し)して、賃料収入を得る。収益物件のオーナーは空室の有無にかかわらず、サブリース会社への手数料を差し引いた収入を毎月得ることができる仕組みとなっている。ここが不動産投資のメリットである。一方で、契約1ヶ月目や2ヶ月目は支払いが無かったり、募集価格が大きく変更できる契約なども存在するので、契約内容は慎重に判断したい。
管理能力
・ 万が一の時に24時間、365日対応できるか
・ システムを使って、入居者、オーナーなどの管理がしっかりなされているか
・ 更新時、退去時の事前通知が、オーナー、賃借人にきちんとなされているか
・ 管理物件の長期修繕計画が入念に立てられているか
このように管理会社が行う業務は、多岐にわたっている。オーナー側は管理会社に対して、すべてお任せしたい気持ちになるのもとてもよくわかるが、「管理会社は自分のパートナー」というスタンスで臨むことが成功への第一歩だ。
特に優れている管理会社かどうかを見極める点は、実際の募集力と募集条件の提案力である。
空室を埋めることが出来る仲介業者をどれだけ知っているか、空室を埋めることが出来る新たなサービス等の情報を積極的に提供しているかなどを確認したい。
また、新たな契約を管理会社と締結する場合、解約条件、管理費用、急なトラブルに際して事前承認なしの費用などを確認して、できるだけ漏れのないようしたいものだ。
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