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物件選びで最重要? 知っておくべき利回りの知識

不動産投資をする上で「利回り」は、必ず押さえておかねばならない要素である。なぜなら、収益に直結するものであり、賃貸経営をする上で重要な指標となるからだ。「利回り」について正しい知識を持っていないと、物件選びの際にミスを犯してしまうことがある。利回りを軽視したことで毎年赤字収支となり、早々に物件を手放す結果になってしまうオーナーもいる。

不本意な結果で終わらないためにも、利回りについて基礎的な知識や物件選びのコツを紹介しよう。

(写真=Mariusz Szczygiel/Shutterstock.com)


目次[非表示]

  1. 1.表面利回りと実質利回りの違い
    1. 1.1.表面利回り
    2. 1.2.実質利回り(NOIとは)
  2. 2.NOI利回りを実際に計算してみよう
  3. 3.NOIを利用するには
  4. 4.利回りだけを頼りにしてはいけない理由
    1. 4.1.ランニングコストは適切か
    2. 4.2.空室リスクは適切か
    3. 4.3.賃料は適正値か

※本記事は2017年1月25日に公開した内容に一部修正を加え、必要な情報を追記したうえで2019年1月31日に再公開しております。

表面利回りと実質利回りの違い

利回りとは、投資額に対するリターンの比率を示したものである。そして、利回りには「表面利回り(グロス)」と「実質利回り(ネット)」の2つが存在する。

表面利回り

物件の収益性を測る指標の一つで、年間の賃料総収入を物件価格で割って求めた値のことだ。広告等に記載されている「賃料」は満室時の収入を意味していることが多い。

【表面利回り(%)=(満室時の年間賃料収入)÷(物件価格)×100】

不動産会社などで売りに出されている物件は、基本的にこの数値を用いている。購入物件を絞り込む際の目安として使われる指標が、表面利回りである。

実質利回り(NOIとは)

利益だけでなく、経費も考慮した値である。満室時の年間賃料収入から年間諸経費(管理費や税金など)を差し引いた金額を「NOI(Net Operating Income)」と呼び、これを物件価格に購入時の諸経費を加算した金額で割ることで算出する。

【実質利回り(%)=(満室時の年間賃料収入-年間諸経費)÷(物件価格+購入時諸経費)×100】

実質利回りは経費を考慮に入れた上で算出された値のため、表面利回りよりも重要となる指標として扱われることが多い。ただし、表面利回り、実質利回りともに、賃料や経費の変動によって数値が変わる可能性があることは注意しておきたいところだ。

計算方法の違いから表面利回りと実質利回りの数値は大きく異なる場合もある。表面利回りから今後想定される経費を考慮に入れた形で実質利回りを計算すると、具体的な収入額が把握できるだろう。


NOI利回りを実際に計算してみよう

例えば、総投資額1億円(物件価格+諸費用)、年間賃料収入(満室時)800万円、保有時諸経費288万円、減価償却費1,000万円のような物件があったとして、実際にNOI利回りを求めてみる。

NOI利回り=(800万円-288万円)÷1億円×100=5.12%……(A)

従来から用いられている表面利回りを求めると、表面利回り=800万円÷1億円×100=8%となり、諸経費を考慮していないため、数値自体はよく見える。また、年間賃料収入に空室率を考慮する場合もある。空室率10%、年間賃料収入(満室想定)に対する運営に係る諸経費の割合である運営費率が36%の場合、次のような計算をすることもできる。

NOI率=100%-(空室率:10%+運営費率:36%)=54%

NOI率は、空室があった場合の賃料未収入分と運営費などを控除した収入の割合である。NOI率を用いることにより、対象物件の価値をより現実的な数値で比較することができるようになる。

NOI率をもとにさらに精度の高い収益性を表す指標を求めることができる。NOI利回り=表面利回り×NOI率で計算すると、

(800万円÷1億円×100)×54%=4.32%……(B)

となり、前述の(A)は空室率を考慮しない数値だったが、空室率を考慮し、収入を10%減の720万円として計算すると、NOI利回り=(720万円-288万円)÷1億円×100=4.32%となり、(B)と同じになることがわかる。(B)ではNOI率を使えば、表面利回りから実質利回りを導き出せることになる。


近隣不動産や同条件のNOI率などを用いれば、NOI利回りとNOI(営業純利益)を求めることができるため、実態を反映していない表面利回りや満室時賃料を提示された場合に、該当物件の収益性について大まかな判断ができるので有効だ。表面利回りが同じ新築物件と中古物件を比較した場合、メンテナンス費用(保有時諸費用)が多くかかる可能性のある中古物件では実質利回りは低下することが多い。


NOIを利用するには

NOIを使用するためには購入時費用や保有時費用を集める必要がある。具体的には、固定資産税や都市計画税などの租税公課、火災保険などの保険料、管理運営に必要な清掃費やメンテナンス費用、共用部分の水道光熱費や日常的な修繕費用、不動産会社に支払う手数料などが挙げられる。

またNOIをはじめとする数値を用いる場合、提示された数値がどのような数値なのかを確認しないとNOIは使えない。一口に利回りと言っても複数あるため、今回紹介してきた数値は最低限理解しておく必要があるだろう。


利回りだけを頼りにしてはいけない理由

高利回りの物件だからと言って安易に飛びつくべきではない。そこには思わぬリスクが潜んでいる可能性もあるからだ。高利回り物件にありがちな3つの注意点を紹介する。

ランニングコストは適切か

購入後に発生するランニングコストを的確に算出しておく必要がある。築年数や物件のタイプによってもコストは変わってくるため注意が必要だ。例えば分譲マンションの場合は一般的に修繕積立金も年を追うごとに増加するため、そのあたりもしっかり計算に入れておかねばならない。

空室リスクは適切か

購入時に満室稼働であっても、今後の空室リスクはどの程度か考えておく必要がある。特に地方は空室リスクが高い傾向にあるため、よく検討した方が良いだろう。将来的な賃貸需要も考慮した上で、検討するようにしよう。

賃料は適正値か

周囲の地域と比較して賃料が適正かどうか、必ず確認しておくことをおすすめする。仮に、周辺の賃貸相場より高い賃料が設定された上での利回りなら、入居者の入れ替わりが起こった際に、賃料収入が減ってしまう可能性があるからだ。

高利回りの物件をしっかりリサーチもせず購入すると、想定の収益との違いが大きく、すぐに運営できない状態に陥ってしまうことも考えられる。利回りは不動産価格の目安に過ぎないことを念頭に置き、将来的な賃貸需要やリスクを加味した物件評価をしなければならない。

表面的な利回りだけを見るのではなく、適正な不動産価値を見抜く目を持ち、検討を進めていけば、良質な物件に巡り合うことができるだろう。


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