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相続時精算課税制度とは 次世代への円滑な資産移転のために

自分が生きているうちに子供や孫へ資金を贈与したいと考えているが、多額の贈与税がかかりそうで二の足を踏んでいる。そのような人が検討したいのが相続時精算課税制度の利用だ。その仕組みと想定できる利用場面を紹介する。(写真=Dmytro Zinkevych/Shutterstock.com)

目次[非表示]

  1. 1.相続時精算課税制度とは
  2. 2.相続時精算課税制度が有効なケース
  3. 3.相続時精算課税を有効活用して資産移転しよう

相続時精算課税制度とは

相続税法には相続税と贈与税が規定されており、贈与税には暦年課税と相続時精算課税の2種類がある。前者は相続税と完全に切り離して、年度ごとに税金を計算する方法だ。受贈者ひとりあたり年間110万円までは税金がかからない。後者は相続時に納税額の最終調整を行う。

贈与した人が亡くなり相続税を計算する際、相続財産に相続時精算課税で贈与されたものを加える。もしすでに贈与税として納めた税金が、相続税として計算された金額よりも多ければ、差額が還付される。逆なら相続税の金額に加算される。贈与時に先払いした税金を相続時に精算するイメージだ。

相続時精算課税制度では、特別控除として累計2,500万円まで贈与税がかからない。暦年課税の最高税率が55%であるのに対して、相続時精算課税は一律20%だ。多額の資金を短期間のうちに少ない税金で贈与できる。ただし一度、相続時精算課税制度を利用した贈与を受けたら、その贈与者からは暦年課税を適用することはできない。

贈与する人は60歳以上、贈与を受ける人は20歳以上で、子や孫(直系卑属)が対象だ。贈与があった日の翌年2月1日から3月15日までの間に、贈与を受けた人(受贈者)が税務署に贈与税の申告をする。このときに「相続時精算課税選択届出書」に記入し、自分の戸籍謄本などを添付する必要がある。

相続時精算課税は贈与であるため、相続特有の制度を利用することができない。代表的なのは、小規模宅地等の特例だ。相続した財産の中に、一定の条件を満たす自宅や賃貸不動産の土地がある場合は相続税が軽減されるという制度で、地域や規模によっては相当の節税になることがある。

相続時精算課税制度が有効なケース

では、どのようなときに相続時精算課税制度を利用すると有効なのだろうか。結論から言うと、相続時精算課税制度によって「継続的にキャッシュを生む資産」や「今後値上がりが期待できる(一時的であっても本来の価値より値下がりしている)資産」を早い段階から次世代に資産移転しておくと有利といえる。

前者は、定期的に賃料収入を生み出す賃貸不動産などが挙げられる。親が賃貸不動産を保有し続けると、賃料収入が親の口座に貯まっていく。キャッシュ(現金)は最も高い税率がかかる相続資産なので、いざ相続が発生するときに多額の相続税を支払う必要がある。そこで相続時精算課税制度を活用して、早い段階から賃貸不動産を次世代(子供など)に贈与しておけば、贈与以降の賃料収入は受贈者の口座に積み上がることになり、間接的に相続税の節税となる。

後者は「相続時精算課税における土地や株式の評価は贈与時点のものになる」という性質を利用した考え方だ。事業承継のために自社株式を贈与することを想定してみよう。先代の社長が退任して多額の退職金が発生したり、一時的に経営環境が悪化したりすることによって赤字となった場合、自社株式の価値は低く評価されることがある。その場面で贈与すれば、のちに黒字に転換して株式の価値が上がったとしても、相続税上の評価は贈与時の低いままだ。

相続時精算課税を有効活用して資産移転しよう

このように、継続的にキャッシュを生み出したり、今後の値上がりが期待できたりする資産については相続時精算課税が相続税対策として有効になることがある。贈与税には、教育資金の特例(1,500万円まで)や結婚子育て資金の特例(1,000万円まで)などの非課税枠があるが、相続時精算課税制度は、現金以外の資産を「贈与時点の評価額」で贈与できることが最大のポイントだ。ただし、前述の2つの特例には適用期限があるため(現時点では平成31年3月31日まで)、留意が必要である。

ただし、贈与時より資産価格が更に価値が下がってしまえば、相続を待った場合よりも高い税金を払うことにもなりかねないので、税理士などの専門家の意見を取り入れながら検討すると良いだろう。(提供元:株式会社ZUU)

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