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相続対策の種類とは? 知っておきたい3つの対策方法

2015年1月1日より施行され相続税法により、相続税の基礎控除が6割に縮小された。
・改正前:5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
・改正後:3,000万円+600万円×法定相続人の数

これまで相続は資産のあるお金持ちの話なので関係ない、と考えていた方も他人事ではなくなる可能性が高い。「『生前対策が必要』と頭では理解しているが、実際に何をしていいかわからない」という方に、まずは、相続税対策の考え方を大きく3つに分けて解説していこう。(写真=Jacob Lund/Shutterstock.com)

目次[非表示]

  1. 1.相続税対策3つの考え方
  2. 2.対策1:相続財産を減らす
    1. 2.1.生前贈与
    2. 2.2.一定の贈与における非課税措置の活用
  3. 3.対策2:法律に規定された控除・特例の活用
    1. 3.1.小規模宅地等の特例
    2. 3.2.生命保険金の非課税限度額
    3. 3.3.配偶者の税額の軽減制度
  4. 4.対策3:財産の評価額を圧縮
    1. 4.1.不動産の購入
    2. 4.2.賃貸物件の購入

相続税対策3つの考え方

相続税対策については、大きく分けて次の3つがある。

対策1:相続財産を減らす
対策2:法律に規定された控除・特例の活用
対策3:相続財産の評価額の圧縮

それぞれについて具体的な内容を説明しよう。

対策1:相続財産を減らす

相続税は相続財産に対して課税される税金だ。相続財産とは、故人が所有していた財産のことである。相続財産を生前に子や孫に分配すれば、相続税を抑えることができる。

具体的には次のような対策が考えられる。

生前贈与

生前贈与とは、生前に財産を譲るということだが、「暦年贈与」と「相続時精算課税制度における生前贈与」の2つがある。

暦年贈与とは、暦年課税による贈与という言葉が省略されたものである。贈与税は暦年(1月1日から12月31日)で計算する。1年間に贈与で取得した財産の価額を合計し、合計額から基礎控除額110万円を差し引き、残りの金額に税率を乗じて求める(暦年課税)。基礎控除額110万円までは贈与税が発生しないため、この控除額を活用して毎年110万円ずつ贈与をしていくことで相続財産を減らせるのだ。なお、留意点としては、生前贈与の際、贈与者が亡くなり相続が発生した場合には、生前に贈与された財産のうち、相続開始3年以内に贈与されたものは、被相続人の相続財産に加算される。

相続時精算課税制度は、60歳以上の親・祖父母から20歳以上の子・孫へ贈与する場合に2,500万円までは贈与税が掛からない制度である。2,500万円に達するまでは複数年に分けてこの制度を活用することができ、財産の種類、贈与回数、年数に制限はない。2,500万円を超えた場合には一律20%の税率が課され、贈与税を支払うことになる。

相続時精算課税制度のメリットは、一度に多額の贈与を行うことができる点にある。デメリットとしては、一度活用すると暦年贈与を受けることが出来ない点だ。

また、相続時精算課税はその名のとおり相続財産の前払いを意味するため、贈与者に相続が発生した場合には、被相続人の相続財産に同制度を利用して贈与した財産を加算し、相続税を再計算することになる。もちろん、支払っていた贈与税は相続税の計算において考慮されることとなる。

相続時精算課税制度がメリットとなる相続財産の具体例として、将来値上がり益が期待される財産が挙げられる。なぜなら、贈与後に相続財産が値上がりしても贈与時の時価で据え置き、適用して計算ができるためだ。他には、収益を生む不動産などがあり、贈与後の家賃収入は贈与者が受け取ることで、間接的な相続税対策となる。しかし、相続財産によって有効となる場合と、ならない場合があるので専門家に相談して判断していただきたい。

一定の贈与における非課税措置の活用

教育資金贈与、結婚及び育児資金贈与、住宅資金贈与といった各種贈与における非課税措置が講じられている。それぞれにメリット・デメリットがあるため、これらをきちんと把握したうえで活用するのが望ましい。

対策2:法律に規定された控除・特例の活用

生前贈与するよりも、相続を行ったほうがよい場合もあるため、比較をした上で対策手段の選定を行っていただきたい。具体的には次のようになる。

小規模宅地等の特例

相続税を支払うために、住んでいる家や土地を売却しなければならない事態を避けるための制度が「小規模宅地等の特例」である。故人と生前同居をしていたなどの一定の要件を満たす親族が住宅や宅地を相続した場合に、その後の生活のことを配慮するという法律の考えから、その住宅等については評価額を減らすことができるのだ。

相続により取得した土地(被相続人等の居住の用に供されていた宅地等)のうち、一定の面積までは土地の評価額を80%まで減額することができる。土地の利用区分、面積によって減額割合は変わるため、詳しくは国税庁の以下のサイトから確認していただきたい。

国税庁:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

生命保険金の非課税限度額

故人が保険料を負担していた生命保険金も相続財産の一つとして評価される。しかし、その生命保険金を相続人が受け取った場合、相続人が受け取った生命保険金の合計金額から、「500万円×法定相続人の数」という算式により計算された非課税額を超えた部分に対してのみ、相続税が課税されることになる。

配偶者の税額の軽減制度

故人の配偶者が遺産分割や遺贈により財産を取得した場合、その取得した内容の相続財産額が次のいずれかの多い方の金額までは配偶者に相続税は掛からないという制度。

① 1億6,000万円
② 配偶者の法定相続分相当額

なお、いずれの税額控除も今後の税制改正によって、変更等がされる可能性があるため、税制改正の動向に注意が必要である。

対策3:財産の評価額を圧縮

上記2つの対策だけで不十分な場合、以下のような方法を選択することで、相続財産評価額そのものを圧縮することができる。

不動産の購入

相続財産が現預金1億円だった場合、1億円そのものが財産評価額となり相続税が課される。しかし、その1億円を使って土地を購入し相続した場合、相続税評価額を「路線価方式」という評価方法で計算することができる(相続税路線価がある場合)。路線価は、実勢価格の70~80%程度で評価するため、実勢価格1億円で購入した財産を70~80%で相続することができる。仮に、1億円で購入した土地が「路線価40万円、地積200平方メートル」であった場合、評価額は「40万円×200平方メートル=8,000万円」となり、評価額を2,000万円減らすことができる。

賃貸物件の購入

さらに、購入した不動産を賃貸に出した場合にも、相続財産評価額を減らすことが可能となる。購入した土地を賃貸し、その賃借人が土地の上に自宅を建てて住んだ場合には、その土地に借地権が発生することになる。借地権の分、土地の所有者は土地を自由に使えなくなるので、評価額は「路線価×地積×(1-借地権割合)」で計算された金額となる。その地域の借地権割合が60%であるならば、相続財産である土地の評価額は「40万円×200平方メートル×(1-0.6)=3,200万円」となり、当初の1億円の約3分の1、土地購入時の8,000万円の半分以下にまで評価額を圧縮することができる。

なお、不動産を購入した場合には、不動産特有のリスクを抱えることとなるため、その点も十分に検討の上、対策を講じて頂きたい。

このように、相続対策はさまざまある。対策ごとに税法上の細かい要件などがあるため、どの対策を講じるべきかについては、世帯の家族構成や個別の事情によって異なる。知識だけを取り入れ、無計画に対策を講じるのではなく、まずは専門家に相談し、適切なアドバイスを受けて頂きたい。(提供元:株式会社ZUU)

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